暗黒の守護者 - Abyss†Breaker -
【このシナリオについて】
シナリオ傾向：シティ、現代、人外探索者
推奨人数：3人～
戦闘：有り
推定プレイ時間：3～4時間
難易度：ふつう
システム：クトゥルフ神話TRPG
【あらすじ】
ドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフト（闇の血族）である探索者達の氏族に、コンフィレンシア・デ・カオス（混沌会議）のメッセンジャーが訪れる。
その内容は、ブルーツフェアヴァンツシャフトで最も強力な者――ディ・スタークスト・シュバルツ（最強の黒）をコンフィレンシア・デ・カオスに出席させよというもの。
ディ・シュバルツ・スタークストである探索者は、コンフィレンシア・デ・カオスで、"神話生物"のエリミネイトを命じられる。
続編として暗黒の守護者2 - Abyss†Breaker†Zwei -があります。
【シナリオについて/舞台設定】
中二感を楽しもうというコンセプトで作成したシナリオです。
意味の分からない単語や中二チックなセリフを呟きつつ、笑いながらプレイしていただければと思います。
バランスとしては、人外探索者が1種類ずつ計3人以上いることを想定していますが、そうじゃなくてもどうにでもなると思います。
深きものに支配権を脅かされた人狼や吸血鬼の一族が、深きものの儀式を察知し、妨害を試みます。
その結果、探索者達が深きものの巣食う街へ赴き、深きものの親玉を始末することになります。
【資料】
深きもの（P188）
STR14 CON11 SIZ17 INT13 POW11 DEX11 HP14 DB+1D4 SAN0/1D6
武器
かぎ爪 25% 1D6+db
装甲
1ポイント
巨大な深きもの（ダゴン）（182P）
三重の鱶町において、深きものを統率している個体。クトゥルフの復活を目指す。
STR52 CON50 SIZ120 INT20 POW30 DEX20 HP85 DB+11D6 SAN1/1D10
武器
かぎ爪 80% ダメージ 1D6+db
叩き潰す 80% ダメージdb
装甲
20ポイント
NPC
高須 義昭 26歳 男性 ビジネスマン
深きものにさらわれ、牢屋に囚われていた人間。
家に伝わっていたお守り（旧き印）の助けで町の入口まで逃走する。
STR13 CON13 POW11 DEX9 APP8 SIZ10 INT11 EDU17 SAN55 幸運55 アイデア55 知識85 HP12 MP11
柿沼 容子 22歳 女性 ビジネスマン
深きものにさらわれ、牢屋に囚われていた人間。
高須の部下であり、手渡されたお守り（旧き印）の力で何とか生き延びている。
STR12 CON8 POW12 DEX7 APP12 SIZ10 INT15 EDU16 SAN60 幸運60 アイデア75 知識80 HP9 MP16
アイテム
旧き印のお守り
高須 義昭の家に伝わっていたお守り。
呪文を唱えると、一時的に古き印と同等の効果を持つ。
また、土地に刻まれた魔法陣の確認も行える。
深きもの達のペンダント
深淵の儀を行うに際して作成されたペンダント。
三角形の印が刻まれている。
クトゥルフに関係した呪文の成功率に+5%される他、魔法陣の確認ができる。
MAP
PL用
KP用
【キャラクターメイク】
探索者が人外種族であるという設定上、新規でのキャラメイクが望ましい。
既存のキャラクターを使用する場合は、種族に合わせてステータスを変更すること。
（オオカミ男のSTRは6D6で算出するため、3D6で算出したSTRを2倍にするなど）
今回使用を想定している種族は、オオカミ男（P230）、吸血鬼（P231）、ミイラ（P234）である。
オオカミ男とミイラは締りが悪いので、以降は人狼とリビングデッドとする。
探索者達は、人間社会に溶け込んで生活していても、隠れ里などで一族と生活していてもよい。
ステータス算出はルールブックに記載されている通りに行う。
記載されていない部分の算出方法や、本シナリオ独自の変更点は次の通りである。
・人狼（P230）
人狼は、感染した結果の後天的なものか、人狼の一族に生まれた先天的な物かを選択する。
満月の夜、後天的な場合は半人半獣に。先天的な場合は完全なオオカミへと変貌する。
本シナリオで登場する人狼は血族を形成しており、独自の文化による教育か、人間社会による教育を受けていることとする。
人狼は、人間の姿と獣の姿の2種類のステータスを持つ。
人間か獣の姿のステータスどちからを算出し、もう一方のステータスに変換することとする。
ただし、INTは2D6+6で算出し低下は発生しないこととする。
以下は人間の姿から変換する場合。CON、POW、DEXの上限は18まで。
STR→2倍、CON→+3、SIZ（先天的な場合のみ）→+2、POW→+3、DEX→+3
人狼は技能、装甲に以下の変更を加える。
追加技能
ラ・ムエルテ・デ・キス（噛みつき）、初期値30%、ダメージ1D8+DB（変身時のみ使用可能）
※噛みつきにはマーシャルアーツを適用できることとする
匂いによる追跡、初期値90%
初期値変更
隠れる、初期値60%
装甲（変身時のみ）
1ポイントの装甲と、1Rに1耐久力回復。
・吸血鬼（P231）
吸血鬼は、感染によって数を増やすものとする。そのため、探索者は後天的な吸血鬼となる。
探索者が古い吸血鬼であれば、その年齢は数百歳である可能性がある。
探索者は、実年齢と見た目の年齢を決定すること。
年齢に応じてEDUの増加ルールが適用されるが、上限は23とする。
また、老化による能力値の低下は外見年齢に合わせる。
吸血鬼は日中特別な能力を発揮できない。光を完全に遮れば外出はできるが、一時的にSTR、CON、DEXが半減する。
日光を浴びれば、1Rごとに1D6のダメージを受ける。
日に1度、人間の血を飲む必要がある。
人間のステータスを吸血鬼のものに変換する場合は、次のように処理する。CON、POWの上限は18まで。
STR→2倍、CON→+3、POW→+3
吸血鬼は追加の能力を持つほか、技能、装甲に以下の変更を加える。
追加技能
ラ・ムエルテ・デ・キス（噛みつき）、初期値50%、ダメージ1D4+吸血
※吸血を行う場合、各ラウンドに1D6のSTRを吸収じ自分のものにできる。このSTRは1時間で失われる
※噛みつきにはマーシャルアーツを適用できることとする
マルカ・グラバダ（かぎ爪）、初期値50%、ダメージ1D4+db
※MP吸収効果については、処理が面倒な場合使用しない
※かぎ爪にはマーシャルアーツを適用できることとする
血を嗅ぎつける、初期値75%
初期値変更
心理学、初期値60%
追加能力
インスタント・ラヴァー（見つめる）、MPを1D4消費しPOW対POWの対抗ロール
成功した場合、相手に単純な命令を聞かせることができる。
ただし、自己破壊的な命令だった場合、対象がアイデアに成功すれば正気に戻ってしまう。
煙かコウモリへの変身、MPを1D4消費
煙かコウモリへ姿を変化させる。身体的な能力は煙やコウモリと同等になる。
装甲
耐久力以上のダメージを受けた場合、1D4のMPを消費し姿が煙に変わり耐久力が1Rに1ポイントずつ回復してゆく
耐久力が最大値の半分を超えると復活する。ただし、耐久力が0になった場合は発動しない。
MPが支払えない場合、通常の死亡処理と同様に処理する。
・リビングデッド（P234）
リビングデッドは、何らかの儀式によるものか、偶発的に発生した存在であるものとする。
どのように生まれた存在によるかで、ミイラのような外見なのか、ゾンビのような外見なのかを決定する。
探索者は、実年齢と外見の年齢を設定すること。
年齢に応じてEDUの増加ルールが適用されるが、上限は23とする。
また、老化による能力値の低下は外見年齢に合わせる。
なお、リビングデッドは下限を3としてAPP-6する。
リビングデッドは睡眠をとらない。
人間のステータスをリビングデッドのものに変換する場合は、次のように処理する。POWの上限は18まで。
STR→2倍、CON→1.5倍、POW→+5、DEX→3分の2
リビングデッドは技能、装甲に以下の変更を加える。
初期値変更
アインラード・ゾム・トート（こぶし）、初期値70%、ダメージ1D6+db
※このこぶしにはマーシャルアーツが適用できることとする
忍び歩き、初期値50%
装甲
2ポイントの装甲、貫通する武器は1ポイントのダメージ
※STRとSIZの合計が41以上の場合、ダメージボーナスが2D6になります
【導入】
探索者たちは、種族に合わせたそれぞれの一族やコミュニティの長から呼び出しを受ける。
呼び出される場所はそれぞれの種族にゆかりのある場所、時間は夜がよいだろう。
探索者たちが到着したとき、長の姿は見えない。これは、長が闇夜に身を潜めているためである。
〈目星〉〈聞き耳〉〈追跡〉など、隠れている長を発見できそうな技能を1つロールさせる。
長を発見できた場合でもできなかった場合でも、長は闇が溶け出したかのように現れる。
なお、長の姿はそれぞれの種族の典型的なものとする。
この導入で中二ワードを連発し、探索者にこのシナリオの空気を理解させるとよいだろう。
発見した場合の例
「流石だな、ドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフトに相応しい反応だ。
お前をディ・スタークスト・シュバルツに選んだ私の眼は間違っていなかったという事だ」
発見できなかった場合のセリフの例
「どうした？インプとワルツでも踊っていたのか？ハハハ！これは傑作だな！
お前は我がブルーツフェアヴァンツシャフトのディ・スタークスト・シュバルツなのだ。しっかり頼むぞ」
その後、長はコンフィレンシア・デ・カオスについての説明を始める。
「早速だが、ドライファッハ（三重）のサンクチュアリでコンフィレンシア・デ・カオスが開かれる。
コンフィレンシア・デ・カオスのメッセンジャーによれば、ディ・スタークト・シュバルツを連れてこいということだ。
他のドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフトもディ・スタークスト・シュバルツ――抑止力を連れてくる。
セロトニントランスポーター遺伝子を持たぬ我らブルーツフェアヴァンツシャフトには無用な助言だが、決して臆するなよ。
コンフィレンシア・デ・カオスは暗澹たる満月の日、魔女が眠る刻、金色の黄昏――ラグナロクが始まる前の刹那に行われる。
決して遅れぬようにな。それでは頼んだぞ」
※探索者たちはこの説明でコンフィレンシア・デ・カオスが開かれる場所、日時を完全に把握できます
※質問された場合、三重で3日後の20時15分に始まると答えましょう
【コンフィレンシア・デ・カオス】
コンフィレンシア・デ・カオスの会場となっているのは、山奥にある古い城である。
近くに探索者の種族の長がおり、時間通りだなと話すと城へ向かい始める。
人間には発見されておらず、闇の血族のみがこの場所を知っている。
城はまるで千年間熟成された人間の血液ような色をしており、門には漆黒の鎧に身を包んだプフェルトナー（門番）がいる。
プフェルトナーに近づくと、大広間で伯爵がお待ちですと告げられ、案内される。
城には様々な美術品がある。美しい絵画や彫刻のほか、ドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフトの本能を刺激するようなものも飾られている。
大広間には○脚（参加する長の数＋1）の人骨の椅子があり、奥には豪奢な装束の赤い瞳をした男がいる。
長たちが席に着くと、大きな鐘の音が城に鳴り響く。音が鳴りやむと、豪奢な装束の男が口を開く。
「再び暗澹たる満月の日、魔女が眠る刻、金色の黄昏――ラグナロクが始まる前の刹那を迎えられ喜ばしく思う。
今宵のコンフィレンシア・デ・カオス、プレセディンテ（議長）を務めるヴラドだ。皆には伯爵と呼ばれている。
此度のディ・スタークスト・シュバルツはノビーチェ（新顔）が多いようだな。我らドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフトの繁栄を心から祝福しよう。
さて、早速だが本題に入ろう。我々ドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフトは闇に住まい、夜を支配している。
セロトニントランスポーター遺伝子を持つ人間どもは子羊のように怯え、赤子のように泣きじゃくる。
しかし、世界を支配するのではなく、世界を滅ぼそうとするブルーツフェアヴァンツシャフトがいる。
我らドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフトとは違うそれを、人間どもは神話生物と呼んでいる。
今宵、ディ・スタークスト・シュバルツを集めたのは神話生物をエリミネイトしてもらうためなのだ。
ドゥンケル・ヴェルト（闇の世界）のため、協力してくれるな？」
長たちは探索者たちの方を向き、確認をとる。ただし、探索者が何と答えようと、長はこの議題に賛成する。
「それでは、ここからスード（南）にあるドライファッハの港へ直ちに向かってくれ。
奴らは終極の満月の夜、銀狼が笑う刻、金色の黄昏――ラグナロクが始まる前の刹那に儀式を行うようだ。
神話生物とやらの首魁をエリミネイトし、儀式の詳細を突き止め、阻止してくれ。
神話生物とは大した呼び名だが、人間どもは我らをモンスターと呼ぶ。モンスターの意味は分かるか？」
「人知を超越した支配者だ。行け、時は満ちた。今こそ禁忌の翼竜が森羅万象の理を破壊する時。黎明を暁へと変えようぞ
――ラ・ヨダソウ・スティアーナ」
※終極の～～とは、明日の夜21時15分だということが分かります
【深きものの町】
探索者たちは直ちに指定された港へと向かうだろう。
港町の入り口にはアーチが立っており、鱶町と記されている。
町はどこか昭和の雰囲気を残しており、すべての建物が古びている。
静寂に包まれた町は、ドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフトにとって好ましいものであるはずだが、探索者たちは嫌な空気を感じるだろう。
※この町は深きものどもに完全に支配されており、町の住民はほぼ全員が深きものです
※彼らは猫背で、どこかカエルのような顔をしています
※本シナリオでは、全ての住民のステータスは深きものの物で統一します
※ただし、完全な深きものを見た場合のみSANチェックが発生します
※警察も深きものどもで構成されており、町外に連絡しても町の警察に任せろと言われるのみです
※住民たちはまばらにいますが、探索者達を遠巻きに見つめるのみです
※近づいて話しかけた場合、よそ者は帰れといったことしか話しません
【A.入口】
町に入ったところで、〈聞き耳〉をロールする。成功した場合、近くの路地裏から、いくつもの足音が聞こえる。
探索者たちは、哀れな人間が何者かから逃げている音だということが分かる。
失敗した場合、しばらく後に路地裏から叫び声が聞こえてくる。この場合、後述の戦闘処理に際に人間のHPが半分になってる。
路地裏に向かった場合、その場にへたり込んでいる人間（遅れた場合は出血している）と、それを追い詰めるいくつかの人影が見える。
人影の数は、探索者と同数か少し少ない程度にする。
なお、路地裏に向かわなかった場合は高須義明が死亡する。彼の死体は片付けられるが、〈目星〉に成功すれば手帳が見つかる。
「薄暗い路地裏に見える、幾つかの人影。常人には人間同士の諍いに見えるその光景だが、闇夜を見通すあなた達の眼には違って見えた。
追跡者たちの体は背骨を中心としてうろこに覆われており、暗緑色の肌がツルツルと光っている。頭部は魚のもので、エラと水かきがついている。
まばたきすらしない、感情の感じられない瞳が倒れ伏している人間とあなた達をじっと見つめている。
口から洩れるしわがれたうめき声を聞き、あなた達は直感する。これは、自分たちとはまた違う、深淵から来た生物だと」
深きものを見てSANチェック0/1D6
しばらくすると深きもの達はしわがれた声でなにやら相談を始める。
会話の内容は探索者達にも聞こえてくる。
「おい、何人か増えたがどうする？」
「深淵の儀に支障をきたしても困る。ここで始末するぞ」
「しかし、ここで血を流して大丈夫なのか？」
「既に魔法陣は完成している。この距離ならば万が一も無い。それに、俺は人間との接し方を知らぬのだ――殺すこと以外はな」
深きものとの戦闘開始。なお、何らかの方法で深きものと会話できる状態になった場合、下記「深きものから手に入る情報」を参照。
戦闘終了後、人間が生き残っている場合下記の手帳に基づいて話が聞ける。死亡している場合、彼の体から手帳が見つかる。
探索者達が人外であることに気づいていた場合、高須は酷く怯えるが、それでも柿沼を助けてくれとすがりついてくる。
深きものが探索者達以上に恐怖を与えたことと、部下である柿沼が気にかかっているためである。
探索者達がどのように答えても、高須は町の外へと去ってゆく。もちろん、探索者達が彼を解放すればである。
高須が生きている場合のみ、彼が持っていた古き印を活性化させる呪文を聞き出せる。
手帳
彼が仕事上使用していたであろう手帳。スケジュールの他、仕事上の注意事項などが書かれている。
その他、持ち主の名前、住所、連絡先などが分かる。
持ち主は平凡なサラリーマンであったことが読み取れるが、後ろのページに、ここ数日で書かれたであろう走り書きのメモが記されている。
～～メモ部分～～
私は高須義明。ワタツミ食品で働いており、鱶町には部下の柿沼と共に食材の確認に来た。もしこの手帳を見つけたならば、会社や家族に届けてほしい。
私は今、鱶町のホテルにいる。しかし、ホテルに宿泊しているわけではない。私はホテルの地下室に身を潜ませている。
ホテルの裏にある鍵が掛け忘れられており入ることができた。鍵の番号は恐らく8327だ。
この町はおぞましい化け物の町だ。私達は奴らに捕えられ、牢屋へと入れられた。牢屋はこの地下室から北西にある。
同じくとらわれた人間が1人いたが、連れて行かれたきり戻ってこなかった。奴らは儀式のために血を捧げると呟いていた。
死を悟った私は縋るような思いで、祖母から貰ったお守りを握り、まじないの言葉を唱えた。
すると、お守りが突如輝きだし、眼のような文様が浮かび上がった。奴らはこのお守りに近づけないようで、何とか隙を作り出しここまで来ることができた。
しかし、柿沼を連れてくることはできなかった。何とか彼女にお守りを渡すことができたが、それだけだ。
私自身も、この地下室から町の外まで逃げ切る自信はない。
そとからあしおとが
～～～～
お守りを輝かせた呪文について高須に尋ねた場合、以下の呪文を教えてもらえる。
なお、彼は呪文を教えることを少し渋る。理由は恥ずかしいからである。
探索者がこの呪文を唱えたがらない場合、唱えたことにして効果を発動させてもよい。
※「旧き」「印」というワードが含まれていれば呪文は発動するという設定でもあります
「之は超克の経文。我が心臓を以て極光を喚び、我が血を以て世界に刻む。
旧き神よ（The）。汝による秩序を以て（Blessing）――印を堕とせ（of God）」
また、深きものたちの死体を調べるとペンダントを発見する。
三角形の印が刻まれており、2つの頂点（上と左下）に赤い円が記されている。
じっくりと観察すれば、ペンダントの左上がほんのわずかに赤くなっていることに気づく。（この場で深きものを殺害した場合）
このペンダントは深町の地図と対応しており、作成後に鱶町で人間（又は深きもの）が殺害された場合、その部分が赤く染まるのである。
現在は、MAPで表せばBとEの地点が赤く染まっている。（深きものを殺害している場合、Aの位置が僅かにペンダントに現れている）
このギミックは重要なため、シナリオ終盤に近づいても探索者達が気付かない場合、〈アイデア〉などで気づかせること。
【今後の探索について】
本シナリオで深きもの達が行っている儀式は、大いなるクトゥルフを復活させるものである。
彼らが深淵の儀と呼ぶこの儀式は、町に三角形上に魔法陣を刻み、相応しい時期に中央で呪文を唱えることで完成する。
魔法陣を刻む方法は、それぞれの三角形の頂点に当たる部分で人を殺害し、血を流すことである。
探索者達が行える、儀式阻止の方法は以下のものになる。
1.魔法陣を完成させない
鱶町で深きものや人間を殺害すれば、ペンダントに変化が現れる。対応した地点に赤い円が現れるのである。
深きもの達は三角形を完成させるため、Cの地点（牢屋）で柿沼容子を殺害しようとしている。
彼女の殺害を阻止し、更にこの場で深きもの達を殺害しなかった場合、三角形は完成しないことになる。
ただし、深きもの達はなんとしても三角形を完成させようとする。
そのため、その場合はCの地点（牢屋）には大量の深きものが訪れることになる。
彼らからCの地点（牢屋）を守りきり、血を流させないようにすることはほぼ不可能だろう。
2.魔法陣を乱す
この方法で儀式を阻止することは不可能である。
既に三角形の魔法陣が完成している場合、他の地点に赤い円を出現させたとしても儀式に影響はない。
3.魔法陣を上書きする
お守りに記された旧き印に合わせた形に魔法陣を上書きする。
旧き印の魔法陣を完成させるためには、三角形の魔法陣に使用されたB、C、E地点に加えて、D、F、G地点に血を捧げる必要がある。
その地点を把握するためには、地図が必要だろう。地図を利用して図形を描けば、それぞれの地点を把握することができる。
その他の場所で、三角形の魔法陣を消しつつ旧き印の魔法陣を完成させることは不可能である。これは時間や地理的な問題も含む。
PLがその他の場所で魔法陣の作成を試みていた場合、そう伝える。
この場合、教祖が魔法陣を完成させる呪文を唱えると、大いなるクトゥルフを復活させる魔法陣ではなく巨大な旧き印が完成する。
探索者がお守りを活性化させる呪文を唱えた場合も完成可能。
旧き印を完成させた場合、深きもの達は大幅に弱体化する。
4."教祖"を殺害する
魔法陣を完成させる呪文は深町にある深きもの達の教団の教祖が唱える。
教祖を殺害することで、儀式を阻止すると同時にコンフィレンシア・デ・カオスで命じられた任務を達成できる。
しかし、教祖の戦闘力は非常に高いため、弱体化させずに勝利することは厳しいだろう。
【深きものから手に入る情報】
この町の住人に多くは深きもの達である。
町中で目にするものは完全な深きものではなく、APP3程度の人間の容姿をしている。
ただし、人の眼につかない場所には完全な深きものが何匹も巣食っており、連絡を取り合っている。
彼らは探索者達を遠巻きに、監視するかのように見つめるのみで近づいては来ない。
話しかけた場合も、よそ者は帰れといったようなことをいうのみである。
ただし、儀式について探っていることに感づいた場合、周りの深きもの達と共に襲い掛かってくる。
彼らは儀式については頑なに話そうとしないが、脅迫したり、吸血鬼の「見つめる」で話す可能性がある。
彼らは全員ペンダントを所持しており、以下のことを知っている。
儀式について
大いなるクトゥルフを復活させる儀式を行っている。
ペンダントに記された地点に血を捧げ、魔法陣を刻む。
血を捧げるには、その場で人間を1人殺し血を流せばよい。
その後、教祖様が呪文を唱えることで土地に刻まれた魔法陣が発動し、深淵の儀は完了する。
教祖について
長い年月を生きた存在。
非常に強力で、我々の纏め役。
深淵の儀は彼が計画し、彼が実行しており、彼無しでは完遂できないだろう。
ペンダントについて
深淵の儀に必要な物。
儀式に参加するものはこのペンダントを持ち、大いなるクトゥルフを称える。
深淵の儀に捧げた血は、ペンダントで確認することができる。
人間について
家畜みたいなもの。
血を捧げるために何人か殺したらしいが興味はない。
牢屋に1人捕えられているらしい。
その他、それぞれの施設の場所について知っている。
【B.商店】
町の入口から道なりに進んだところにある。入り口から他の地点に向かうため歩いていれば、血生臭い匂いが漂ってくる。
匂いに気づくのは人狼の探索者と吸血鬼の探索者だろう。
匂いを辿ってゆけば、看板の出た商店のような建物に辿りつく。雑貨を販売しているようで、様々な物品が置かれている。
探索者の目に付くのは古びた観光用の地図で、1000円で販売されている。その他、探索者達に必要な物があれば販売されていてもよい。
血の匂いの出どころはレジの奥である。
レジには暇そうにした男が1人いる。訪れた時間が夜や朝の場合、営業時間外だと話し追い出そうとする。
彼は奥の血の匂いについて何も匂わないし何もないと話す。
探索者がしつこく問い詰めたり、奥を確認しようとすると警察を呼ぼうとする。
騒ぎを起こした場合、周りにいる深きもの達が商店へと集まってくる。奥を確認するためには速やかにレジの男を無力化しなければならないだろう。
奥の部屋には商品の入ったダンボールと、男女の死体がそのまま置かれている。死体はまだ新しく、〈医学〉などで今朝死亡したことが分かる。
何らかの方法でレジの男に話させた場合、深淵の儀に捧げるため商店主夫婦を今朝殺したと答える。
〈目星〉に成功するか、商店主の男の死体を調べることで配達のメモを発見する。
メモには酒場の住所と、グラスを1ダース届けると記されている。商品の入ったダンボールの中に、グラスが1ダース入ったものが混じっている。
【C.牢屋】
高須の話通りに進んでゆくと、小さな刑務所のような建物が見えてくる。
高い壁に囲まれたコンクリート造りの建物で、門には警備の者らしき男が1名いる。
侵入するためには、〈登攀〉または何らかの方法で壁を超えるか、警備の男を無力化する必要があるだろう。
警備の男を即座に無力化できなかった場合、内線で刑務所の中の人間が呼ばれる。刑務所の中には2名の完全な深きものがいる。
深きものを見た場合SANチェック0/1D6
この地点で人間や深きものが死亡した場合、三角形の右下部分に赤い円が現れる。
全ての頂点に赤い円が現れたペンダントは、刻まれた三角形を真紅に変える。
牢屋は簡素な作りで、奥には牢がいくつか並んでおり、手前の部分に机や椅子など、看守たちが過ごすと思われるスペースがある。
中には完全な深きものの看守2名がおり、1つの牢の前に集まって、しわがれた、嫌悪感を催す笑い声と共に、光が弱くなってきたなぁなどと声を上げている。
深きものを見た場合SANチェック0/1D6
探索者達が〈隠れる〉や〈忍び歩き〉などを使用していなかった場合、深きもの達は探索者達が牢屋に侵入したことに気づく。
深きもの達との戦闘開始。入り口から牢までは距離があるため、接近するには1R必要。
深きもの達は最初のR終了時に、「極光が失われたか。貴様を冥府へと還し、血肉を大いなるクトゥルフに捧げる時」などと呟き、牢の中の柿沼を殺害する。
柿沼を救出したい場合は、何らかの方法で妨害する必要がある。
遠距離攻撃の手段があれば、ダメージを与えた時点で深きものの行動は止まる。また、この距離は≪見つめる≫の射程圏内でもある。
その他に、お守りを活性化させる呪文を唱えることも有効である。呪文を唱えた場合オーロラのような光が牢の中から溢れだす。
光に当たった深きものたちは弾き飛ばされ、通路に転倒する。起き上がるため、彼らは1R目と2R目に行動できなくなる。
※牢屋に駆けつけるのが遅かった場合は、最初のRの深きものの行動時に柿沼を死亡させたり、そもそも柿沼が死亡していたりしてもよいかもしれません
戦闘終了後、柿沼が生存していれば、彼女は牢の奥でお守りを抱えて震えている。
他の牢に囚われている人間はいない。
お守りを活性化させていた場合でも、お守りが探索者達に悪影響を与えることはない。
彼女は何でもするので助けて下さいと懇願してくる。彼女に話を聞いた場合、高須が話していたこととほぼ同様のことを話すが、新たに以下の情報を得られる。
・看守達の話によると、牢から連れてゆかれた1人は、墓地で殺害されたようだ
・お守りは1日ほどで光が消えた
・「教祖様」と呼ばれる存在がおり、インゲンの儀？を主導しているようだ
なお、彼女が持つ「お守り」はシナリオ上重要なアイテムである。
アイテムが無くともクリアはできるが、最低でもお守りに記された紋様を探索者に見せる必要があるため、KPは注意すること。
彼女の安全を考えて探索者がお守りを渡した、という場合でなければ、お守りを落としたり、お礼に渡してきたりといった形で、探索者にお守りを持たせた方がよいだろう。
旧き印のお守り
鉄製の小さなプレート。星の中心に目がある紋様が描かれており、星の角と中央（目の部分）にそれぞれ1つ、合計6つの窪みがある。
また、何か所かに赤い円が現れている。（シナリオ上で深きものや人間が死亡した場所。現時点で現れているであろう場所はB、C、Eであり、星の部分の上、右下、左下。）
呪文を唱えた場合、1日の間オーロラのような光が漏れ出し、光を持つ者に深きものが近づけなくなる。
光はポケットやカバンの中にお守りを入れると見えない程度の明るさ。
また、看守の机を調べるか〈目星〉に成功することで、地図を発見する。地図はこの町のものであり、B、C、Eの地点が赤く塗られている。
その他に、Gの地点に本部と記されている。
柿沼に墓地の場所を聞いた場合でも、看守が地図を見ていたと教えてくれる。
【旧き印のお守りを入手後の探索について】
旧き印のお守りを入手すれば、後は魔法陣を上書きし、深きもの達の教祖を始末するのみである。
もし、探索者達が旧き印を刻むというアイデアが思い浮かばない場合、ペンダントやお守りに3か所以上赤い円が表示されていれば、〈アイデア〉でヒントを伝えるとよい。
伝えられなかった場合、赤い円が増える毎にアイデアロールをする。
また、酒場かホテルに血を捧げた時点で、日が昇り始める。KPが探索不足だと感じていれば、日中に探索させてもよい。
しかし、この時点で日が昇り始める理由は探索者の休息のためである。
1晩眠れば探索者達のHPやMPは回復するものとするため、墓地やホテルなどで休むとよい。
慣れている探索者達ほど、空き時間には何かをしないといけないと考えやすいため、KPは探索者達が悩むようであれば、回復のための休憩時間だと伝えてよいだろう。
【D.墓地】
墓地は非常に古びており、長らく使用されている気配はない。
ドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフトにとっては唯一、この町で心が休まる場所である。
墓石に記されているのは多くが100年以上前の人間の物ばかりで、墓地の雰囲気からも、この町に巣食う神話生物は埋葬されていないのではないかと感じる。
そのような墓地で更に探索者の心を安らがせるものが、中央にある引き裂かれた死体である。
〈医学〉に成功すれば、今朝殺害されたものだと分かる。死体を調べるか、〈目星〉に成功することで、ホテルの部屋の鍵を発見する。
鍵は3階の一室のものである。
また、辺りを調べるか〈目星〉に成功することで、古い教会を発見する。ただし、完全に打ち壊されており、中に入ることはできない。
教会の傍には古びた物置があり、中には棺桶（吸血鬼の人数分）がある他、〈幸運〉にも探索者達の望む道具がある可能性がある。
※棺桶で眠りたい吸血鬼の探索者がいた場合のサービスです
【E.酒場】
この地点では、旧き印の魔法陣のため血を捧げる以外の目的は無い。
酒場は古びた建物で、入口は鉄製の扉で施錠されている。扉を触るとのぞき窓が開かれるが、「人間はお断りだ」と入店を断られる。
酒場に入るためには、何らかの方法を取らなければ駄目だろう。
深きものの振りをしたり、時折出入りする深きものに合わせて侵入することができる。
しかし、内部で人間であるとばれれば戦闘に突入する。内部にはバーテンダーに加えて1D10体の深きものがいる。
最も簡単な方法は、商店からのグラスの配達を偽ることだろう。
裏口から入るように伝えられ、同じく鉄製の頑丈な裏口が開かれる。
裏口は厨房部分に繋がっており、1人の完全な深きものが見下した態度でグラスを渡すよう伝えてくる。
深きものを見てSANチェック0/1D6
この場は密室になっており、多少の物音で外の深きものたちが気づくことはない。
ただし、この場で死体を隠さなかった場合、深きもの達は探索者による殺人に気づく。
気付かれた場合、任意のタイミングで「酒場の殺しはお前か？」などと問い詰められ、襲撃されるイベントを起こしてもよい。
【F.ホテル】
ホテルは3階建ての低い建物で、裏の扉には鍵が掛けられている。鍵は4ケタの暗証番号錠で、8327に合わせれば開く。
裏の扉は物置に繋がっており、あまり使わないであろう雑多な物の他、使用されていない発電機などが置かれている。
人狼の探索者は、匂いからこの場所に定期的に深きものが訪れていることが分かる。また、ホテルの管理人を見たことがあれば、その匂いだということが分かる。
ホテルで血を捧げる場合、この物置で待ち伏せし、管理人を殺害する事が最も簡単な方法だろう。
ただし、この場で死体を隠さなかった場合、深きもの達は探索者による殺人に気づく。
気付かれた場合、任意のタイミングで「ホテルの殺しはお前か？」などと問い詰められ、襲撃されるイベントを起こしてもよい。
入口から入った場合、受付には無愛想な男がいる。彼はこのホテルの管理人で、儀式が近づいた今、人間を宿泊させる気はない。
彼は探索者を追い払おうとし、しつこい場合は警察を呼ぶだろう。
ロビーには管理人の他、1D3人の深きものがおり、ホテルには1D10人の深きものが潜んでいる。
人狼の探索者は、匂いからホテルにはそれなりの数の深きものがいることが分かってもよい。
なお、3階の鍵を持っており、何も話さず受付を通る場合は、人間だと気付かれることはない。
宿泊客ならば、同じ深きものだろうと考えるためである。
墓地で見つけた鍵で入ることのできる一室は粗末なベッドがあるのみだが、工夫すれば探索者達が日中をやり過ごすため眠ることができるだろう。
【G.教団本部】
教団本部は町の中央にある。コンクリート造りの建物で、何かの会館の様な見た目をしている。
儀式が近いせいか、時折住人が出入りしており、中からは何百人もの気配を感じる。
なお、深淵の儀当日に来た場合は「クライマックス」も参照すること。
教団本部で血を捧げるためには会館内の深きものを殺害しなければならないが、内部には教祖がいるため困難である。
〈隠れる〉〈忍び歩き〉やコウモリ、煙に変身することで中の様子を伺うことができる。
内部では、巨大な暗緑色をした、かぎ爪を持つ蛸の石像が置かれており、多くの深きもの達が祈りをささげている。
そして、その中でも一際巨大な深きものが石像の近くに座っている。
「そのおぞましい巨人は、絶対的な暴力をあなた達に感じさせる。岩石のように巨大な鱗。人の何倍もの大きさを持つ腕。
纏う雰囲気は何よりも昏い深淵であり、見る者に生物としての異質さ、圧倒的なまでの格の違いを感じさせる。
それはまるで、パンドラの箱に詰まっていた災厄の権化が、最後の希望まで喰らい尽くした姿かのようだった」
教祖、巨大な深きもの（ダゴン）を見てSANチェック1/1D10
教祖を発見してSANチェックに失敗したり、〈隠れる〉〈忍び歩き〉を使用せず教団本部に近づいた場合、教祖は探索者達の存在に気づく。
彼は教団本部から姿を現し、探索者達に話しかけてくる。
「矮小な人間どもめ、深淵の儀を妨害しに来たか？……いや、この気配はドゥンケルハイト・ブルーツフェアヴァンツシャフトか？
貴様らはコンフィレンシア・デ・カオスに命じられたディ・スタークスト・シュバツルというわけか。
まあよい。大いなるクトゥルフの降臨、世界の終極は何人にも邪魔させん。この私が直々に始末してくれる」
教祖との戦闘開始辺りからは深きもの達も集まり始めている。教祖のステータスは巨大な深きもの（ダゴン）（P182）と同じである。
戦闘で勝利することはほぼ不可能なため、探索者達を逃走させること。
逃走するためにはDEX10との対抗ロールが必要。教祖のDEXは20だが、巨大なため町中で動くことは難しいためである。
探索者の誰かが囮になるのならば、他の者はDEX判定なしで逃げることができる。
また、DEX対抗ロールの際に活性化された旧き印のお守りを持っていれば、成功率に+20する。
ただし、教祖に対して旧き印はそれ以上の効果を見せない。
探索者が逃げようとしない場合、吸血鬼の探索者を叩き潰したりすればよいだろう。恐らく、一撃で煙へと変わるはずである。
【クライマックス】
順調にシナリオが進行すれば、B、C、D、E、Fの地点に赤い円を生み出すことができ、残すはG.教団本部の地点に血を捧げるのみとなるだろう。
魔法陣を完成させる方法については、探索者達がお守りを活性化させる呪文を唱えるか、教祖が深淵の儀により魔法陣を完成させる呪文を唱えるのを待てばよいだろう。
G.教団本部に血を捧げる方法については、儀式に乱入し、戦闘処理中に深きものを殺害してもよいし、探索者達に他のアイデアがあればそれに従ってもよい。
（鱶町で手に入る様々な道具を利用するほか、教団本部下の下水道に深きものを連れ込むことができる可能性もある）
時間になれば、深淵の儀が開始される。儀式に乱入した場合、教祖とそのほかの深きもの達との戦闘になる。
儀式中に忍び寄るのであれば、深きもの1匹に不意打ちを行うことは可能だろう。最初の数Rは周りの深きものたちのみが襲い掛かってくるため、その間に血を捧げる必要がある。
深淵の儀では巨大な暗緑色をした、かぎ爪を持つ蛸の石像に向かって、教祖と数百体の深きものが祈りをささげている。
教祖を見たことが無い場合は、上記の描写文を参考に描写を行う。
深きもの達は口々に「いあ！いあ！くとぅるふ ふたぐん！」と唱えており、やがてその中心にいる教祖が呪文を詠唱し始める。
「我は深淵の寵児。悠久に眠る深淵の主に仕えし者。我が血族と脆弱なる堕落者達の血を以て、此の大地に刻む。
世界よ（The）。我は汝の理を破壊し、新たな秩序を刻む者（World's）。我が刻んだ秩序を以て、印を顕現させよ(Destruction）」
A.探索者達が旧き印の魔法陣を完成させていなかった場合
海から大いなるクトゥルフが現れ世界は滅亡する。
B.探索者達の呪文、又は教祖の呪文によって旧き印の魔法陣を完成させた場合
突如、辺りがオーロラのような光に包まれる。深きもの達はその身を焼け爛れさせていき、その場に崩れ落ち身動きしなくなる。
教祖は体中から煙を発し、その巨大な体躯を萎ませつつも怒りの咆哮上げ、探索者達に襲い掛かってくる。
教祖との戦闘開始。ただし、旧き印により教祖は弱体化している。
弱体化した教祖
STR26 CON20 SIZ30 INT10 POW30 DEX10 HP40 DB+2D6 SAN1/1D10
武器
かぎ爪 40% ダメージ 1D6+db
叩き潰す 40% ダメージdb
装甲
6ポイント
教祖は死亡すると、その体は焼け爛れてゆき、やがて巨大な消し炭へと変わる。
それは、周りの深きもの達も同様である。
オーロラのような光に照らされた夜の世界は、それでもなお闇に包まれており、探索者達は自分たちの世界を取り戻したのだと確信する。
しばらくすると伯爵とそれぞれの長たちが現れ、探索者達にねぎらいの言葉を掛ける。
「さすがはディ・スタークスト・シュバルツだ。その名に恥じぬ働きを見せてもらった。
コンフィレンシア・デ・カオスはこのドライファハッハを新たなサンクチュアリとすることにデチージェ（決定）した。
この働きから、コンフィレンシア・デ・カオス、プレセディンテ、ヴラドの名を以てお前たちをディ・スタークスト・ジェット・シュバルツ（最強の漆黒）に任じる。
今後とも、我らドゥンケルハイト・ブルーツフェア・ヴァンツシャフトの繁栄を助けてくれ。
さて、行うべきことはまだまだ沢山ある。行くぞ――金色の黄昏、ラグナロクが始まる前に」
探索者達は世界を救い、非常に名誉ある地位に任じられた。金色の黄昏、ラグナロクが始まるまで、ドゥンケルハイト・ブルーツフェア・ヴァンツシャフトの繁栄は約束されたのだ。
【シナリオクリア】
1D10の正気度回復。
自ら呪文を唱えて魔法陣を完成させた場合は、1D6の正気度回復。