シナリオ傾向:シティ、1920
推奨人数:3人~
戦闘:有り
推定プレイ時間:4時間
難易度:少し難しい
システム:クトゥルフ神話TRPG
1920年代アメリカの都市の1つカナイが舞台。大都市ではないが、まあまあの規模とする。
ニューヨークから少し離れた海沿いにある都市であり、シナリオ中では9月。すごしやすい気温になっている。
カナイはある程度歴史がある都市であり、時代相応にマフィアが大きな力を持っている。
しかし、警察は優秀。5年ほどまえにネスター派の分派として浄化の炎という教団があったが、禁酒法を背景に勢いを増したマフィアとの衝突により壊滅。以降は表立った物は存在していない。
しかし、浄化の炎教団の一部の過激派は生き残っており世界の滅亡をもくろんでいる。
彼らは教義を重視せず破壊のみを重視し、現在はファンの醸造酒を使用してマフィアのボスを操り、機会をうかがっている。ごく最近、警察に支配の手を伸ばし、そのほぼすべてを掌握。本格的に活動を始めた。
ただし、浄化の炎教団壊滅の際に魔道書でもあったネスター書簡の多くが焼失したため大きな力は無い。
今回、この町でオークションが開始される。目玉は大西洋を漂っていた流氷から見つかった本。
教団は失ったネスター書簡に代わるものを求め、この本を奪おうとする。マフィアを利用し本を奪った彼らは、ヨグソトースとの接触の呪文を解読し、ヨグソトースとの接触を果たす。ヨグソトースから知恵を得た彼らは、更なる知恵を求めヨグソトースの召喚を目指す。召喚が成功すれば、この町は滅ぶだろう。
ネスター書簡
7巻の巻物からなり、ネスターの啓示と金言がまとめられている。
本シナリオでは英語に翻訳されたものが登場する。
ただし、大半の焼失により≪ファンの醸造酒の製法≫(KC88P)
≪聖なる炎を送る≫(炎の精の召喚/従属)(基本283P、191P)以外を読み取ることはできない。
5分の2が残っていると考え、解読した場合。
1/1D3の正気度喪失。3%のクトゥルフ神話技能。
平均13週間の解読期間/斜め読みに8時間。
エイボンの書
本シナリオで登場するのはアトランティス版。センザール語で記されている。(KC9P、基本105P)
古代ハイパーポリアの魔法使いであるエイボンの手によるもの。
500ページ以上あり、数多くの祈祷文や呪文が載っている。
1D8/2D8の正気度喪失。16%のクトゥルフ神話技能。
平均48週の解読期間/斜め読みに96時間。
ファンの醸造酒
対象の行動と態度の操作を促す催眠薬。
ドロドロしたシロップ状で、感情を平安にさせ、見当識を失わせる。
ケシのヤニやクマの脾臓、他様々な違法な材料を必要とする。
食物や飲み物に少量混ぜ続けると[20-POW(自分の?)]後に犠牲者の意思を浸食する。
この状態では、薬の使用者のちょっとした要求であれば受け入れるようになる。
2~3週間後には薬の使用は不要になる。ただし、犠牲者は自分の性格を失わず、
使用者の要求以外には変化を示さない。この洗脳は操るものの死により無効になるだろう。
今シナリオでは、「少量混ぜ続ける」を1日1回少量服用し続けるとする。
また、使用者は教団の生き残りとし、POWは18とするため、服用から2日後に効果を発揮する。
炎の精(基本191P)
「何千もの小さな光の点が現れた。光の点は炎を形作っており、触れる部分に炎が燃え上がった。それはまさしく、生きた炎であった」
DEX17 HP4
※物質的な武器ではダメージを受けない。
※水をかければ、水2リットルにつき耐久力1ポイント。消火器なら1D6、バケツ1杯の砂で1D3ダメージ。
※上記の方法で攻撃する場合、DEXの5倍成功率とする。
攻撃
タッチ 85% 2D6
※炎の精は犠牲者にタッチすることで攻撃を行う。(炎の精に攻撃できる距離=炎の精がタッチできる距離とする)
※2D6のダメージロールの結果と、犠牲者のCONを対抗させる。
※成功でダメージの半分。失敗すればそのままのダメージを受ける。
※MP吸収はしないものとする。
マフィア
STR14 CON14 SIZ14 POW11 DEX10 INT12 EDU10 HP14 DB+1d4
武器/ダメージ/基本命中率/射程/攻撃回数/装弾数/故障ナンバー
トンプソン 1D10+2 15% 20m 1/連射 30発 96~で故障
38口径リボルバー 1D10 20% 15m 2 6発 00で故障
技能
運転60 隠れる60 聞き耳50 目星40
忍び歩き60 投擲40 言いくるめ60 SMG40
拳銃40 こぶし60 キック60
※たぶんイタリアンマフィア。名前を聞かれたらイタリアンっぽい名前をつけてあげよう!
NPC
ピーター・ベール 警察官 175cm 65kg 24歳
最近カナイへ赴任してきた警察官。
マフィアへの捜査を行わない同僚に疑問を持ち、独自に調査を進めている。
STR11 CON12 POW15 DEX11 APP9 SIZ11 INT15 EDU15 HP12 MP15 SAN75 アイデア75 幸運75 知識75
技能
回避50 組みつき75 拳銃65
応急手当60 追跡50 図書館60 目星62
運転70
言いくるめ65
心理学40 法律45
武器
S&W M10(38口径リボルバー)1D10 15m 攻撃:2 装弾数:6 故障00
ライナス・マクネアー 魔術師 190cm 85kg 42歳
ネスター派の分派「浄化の炎教団」の生き残り。
すっげえ過激派だったので教義とかはあんまり覚えていない。
世界滅ぼせたらいいな~って思ってる。
STR10 CON17 POW18 DEX15 APP12 SIZ16 INT16 EDU18 HP17 MP18 SAN0 アイデア80 幸運80 知識90
技能
言いくるめ60 センザール語40 ラテン語40
医学38 オカルト90 クトゥフ神話40 考古学50 生物学50 天文学50 博物学50 薬学50
MAP
オークション会場
警察署
PL用
KP用
支配人の家
PL用
KP用
倉庫
カナイ市のオークションに参加することを導入とするため、探索者達には「とても欲しい珍しいもの」を一つ決めてもらう。
探索者達に買い物を行ってもらうため、年収が決まっていない場合はシナリオ開始時に1D10ロールを行ってもらう。
探索者は年収の5倍の資産を持っており、そのうち10分の1が現金である(基本40P)ことから、年収の半分をオークションに参加するための軍資金として持ってきたこととする。
1-$750、2-$1,250、3-$1,750、4-$1,750、5-$2,250、6-$2,750、7-$3,250、8-$3,750、9-$5,000、10-$10,000。
なお、探索者が落札したい品物は初期の所持金の3分の2を最高落札価格とする。
1920年代のアメリカ、北大西洋側にある都市カナイでは9月に大規模なオークションが開催されることになった。
オークションの目玉は、北大西洋を漂っていた流氷から見つかったとされる本。それに加えて探索者達の「とても欲しいもの」が目玉として出品されていることが分かる。探索者達はその商品を落札するため、有り金をすべて持ち、カナイへと向かうだろう。あるいは、カナイ在住であるということにしてもよい。その場合はこの町に教団があった
こと、5年前にマフィアとの抗争により壊滅したことを知っているだろう。
カナイはまあまあの大きさの都市であり、オークションの効果か観光客が多いように見える。
あらかじめ探索者達にオークション何日前に到着しておくか聞く。特に何も影響しないが、その分滞在費などがかかるだろう。
滞在費
平均的なホテルは1日$4.5、上等なホテルは1日$9とする。
また、滞在中にやりたいことがあれば可能な限り認めることとする。
ある程度情報を調べるなら、この町のもぐり酒場の酒はうまいという情報を得る。
また、オークションの目玉の本はこの町出身のとある探検家が発見したものであり、都市の発展に貢献できればとオークションの開催を提案したこと、それを受けて地元の有志がオークションを開催したことを知る。
但し、その探検家はオークション開催前にどこかに旅立ったようである。
オークションはとあるホールを利用し行われる。探索者達が会場に着くと、入場料$5と引き換えに午前の部の出品物のリストを受け取ることができる。なお、探索者達の目当ての品は全て午後に出品される。
PL用出品物リスト(wordファイル)
代金は落札後商品と引き換えに渡すため、現金を持ってきてもらうこと。
会場には100人程度の男女が席についている。椅子がいくつか置かれた丸テーブルが複数ならんでおり、奥に舞台が見える。探索者達は偶然にも同じテーブルに案内される。テーブルには探索者達に加えて、50歳ほどの恰幅の良い男性がいる。彼は金持ちらしく、オークションで大いに金を使うつもりであること、〈幸運〉ロールに失敗した探索者の目当ての品に少し興味があることを話す。名前はジェイソン ・ ハーデンといい、株で大儲けしたという。
ジェイソンは、「食事をする食屍鬼」、「水晶髑髏」、「小さな石像」を狙っていると話す。
最低入札価格の3倍程度の値段を出せば落札できる。〈言いくるめ〉などに成功すれば安く入手できる可能性あり。
~午前の部~
1.古い銀製の銃
銀で作られた32口径リボルバー。持ち手部分は木であり、そのほかの部分は銀であるが、古く汚れている。
この銃から発射された弾丸で、悪魔を退けたという逸話がある。最低入札価格は150ドル。
通常の32口径リボルバーと同じ扱い。しかし、古く、故障しやすいため故障ナンバーは80~とする。
魔術的な攻撃のみ有効な敵に対して1D3ダメージを与える。
2.絵画「食事をする食屍鬼」
グールが人間の屍を貪り喰う様を描いた絵。非常にリアルで生々しく、見るものに嫌悪感を与える。
ピックマンという画家が描いたとされ、カルト的な人気を誇る。最低入札価格は400ドル。
間近で見た場合、1/1D4のSANチェック。
3.奇妙な文様が施された青銅の機械
長さ15cmほどの、長方形の箱。正面には拳大のくぼみがついており、底面は何かと組み合わせるかのようにへこんでいる。200年ほど前に先住民が手に入れたとされ、当時の技術では再現できない作りのオーパーツである。最低入札価格は500ドル。
イスの時間通信機の上部。底部がないため使用することはできないだろう。宝石はライナスが取った。
4.いわくつきの黒い金属の塊
ドアの取っ手程度の大きさで、イボがいくつもついており、表面にはワイヤーが付いている。この金属の塊の発見者は、後日、自宅で雷に打たれ死亡した状態で発見され、手にはこの塊が握られていたという。 最低入札価格は50ドル。
ミ=ゴの電撃銃。使用するためには〈電気修理〉ロールに2度成功しワイヤーを巻きなおす必要がある。
この方法で使用可能になった場合、1D6ロールで1~2を出せば発砲することが可能。発砲した場合、青っぽい火花のようなものが飛び、1D10のダメージ。対象をダメージと同じRだけ麻痺させる。
また、対象は自身の耐久力とダメージで対抗ロールを行い、失敗した場合は心臓まひで死亡する。
5.血を吸う日本刀
日本の刀匠集団「村正」が作ったとされる日本刀。その鞘を抜いたものは血を求め彷徨い歩くという。最低入札価格は300ドル。
実際は妖刀ではなく、ただの日本刀として扱う。
6.水晶髑髏
マヤ文明の遺跡から発見されたという、水晶で作られた髑髏。一つの水晶を削られて作られたものであり、当時の技術では再現できないと考えられる。一説によれば、魔術の道具として扱われていたらしい。
また、水晶髑髏は13あり、全ての髑髏を集めれば大いなる叡智が手に入るという。最低入札価格は4000ドル。
基本的には現実の水晶髑髏と同じ設定とする。ただし、この髑髏を持ち魔術を使用する場合、成功率に+5%する。
7.焼け焦げた巻物
この町で起きた火災跡から発見された巻物。解読できたものは恐ろしい炎の力を得るという。
但し、ほとんどの部分が焼け落ちており解読は非常に難しいと考えられる。最低入札価格は100ドル 。
浄化の炎教団壊滅の際に焼失したと思われた巻物の一巻。ただし、ほとんどが焼失しており、教団の生き残りは有益な情報があるとは考えておらず、興味を示していない。〈英語〉の2分の1ロールに成功すれば、僅かに残された一部を読み取ることができる。
「その日――。黄金の塔は炎の円柱となり―――。かの炎が――全ての人々の記憶に焼きつく」
8.聖別されたナイフ その昔、高名な司祭によって聖別を受けたとされるナイフ。その来歴の多くが不明になるほど古びているが、刀身は今も光を反射しており、何かの力を感じさせる。最低入札価格は180ドル。
物理攻撃が効かない物に対し、1D3のダメージを与えることができる。
9.小さな石像
異教の徒が儀式に使っていたとされる石像。彼らはこの石像に生贄を捧げ、像の周りで踊りと共に祈りをささげていたという。何千年もの時を経たような暗緑色の色をしており、15センチほどの大きさの非常に精緻な作りの石像。 台座の上にうずくまった蛸のような怪物の像であり、台座部分には金色もしくは虹色の斑紋や層門が入っている。
それに加えて、未知の文字のようなものが彫られており、このような芸術様式は過去に存在しないという。
また、材質も不明。最低入札価格は2000ドル。
「クトゥルフの呼び声」に登場した石像。間近で見ると0/1の正気度喪失。
10.女王の金の指輪
数百年前のとある女王が身に着けていたとされる指輪。100%純金でできており、非常に美しい輝きを放っている。最低入札価格は1000ドル。
~午後の部~
11~探索者達の目当ての品が出品される。
また、最後には目玉として大西洋の流氷の中から見つかったとされる本が出品される。
1X.古代アトランティスの機械
流氷の中から見つかった機械。出品ナンバー3の物と同じような文様が彫られている。用途は全く分からない。
この機械の輸送中、機会に触れた職員が意識不明になり、現在も目を覚ましていない。
この機械を発見した冒険家は、古代アトランティスの物品だと説明している。
イスの精神転移装置の簡易版。過去の自分に精神を飛ばし乗っ取ることができる。但し、この機械は未完成で、完成には時間通信機についている宝石が必要。宝石はライナスが魔術増幅装置としてつかっている。
機械は後にトーマスが手に入れる。宝石は、全話通してライナスが持つ。
1X.古代アトランティスの写本
この本は大西洋を流れる氷の中から見つかった。この本は道の言語で書かれている。発見した冒険家はかろうじてタイトルを解読した。タイトルは「エイボンの書」。センザール語で書かれており。解読は非常に困難。
センザール語は古代アトランティスで使用されていた言語であり、恐らくはその時代の本である。
エイボンの書のアトランティス語版。センザール語で記されており、解読は困難である。(KC9p)
探索者達が自己紹介や、ジェイソンとの会話を済ませたあたりでオークションが開催される。
オークションは1番から進んでゆき、最低入札価格の3倍程度で落札されていく。探索者がオークションに参加する場合は、価格の宣言とともに〈言いくるめ〉などに宣言すれば安く購入できるかもしれないと伝える。
ジェイソンは2.「食事をする食屍鬼」、6.「水晶髑髏」、9.「小さな石像」を落札しようとする。突如入札価格の5倍の金額を提示し、周りを黙らせる。探索者達がそれ以上の価格を提示する場合、クソッ!と叫び諦める。
午前の部が終わると、落札した商品が順に机に運ばれてくる。ジェイソンは満足げにそれを眺めた後、探索者達にも見せようとするだろう。
2.「食事をする食屍鬼」のSANチェック
まるで色付きの写真のような生々しさに身の毛がよだつ。1/1D4
9.「小さな石像」のSANチェック
その石像を眺めると脳内に奇妙な都市のイメージが湧き上がる。0/1D3
また、探索者達が落札した商品もこの場で代金と引き換えに渡される。
商品を眺めた後は、主催者側の人間が保管場所まで運ぶと申し出てくれる。申し出は受けても受けなくても構わない。ジェイソンは申し出を受けるだろう。保管場所を聞かれた場合、このホールの裏の倉庫だと話す。
午後の部開始前に食事が運ばれてくる。牛のステーキとつけあわせ、ワインとスープであり、おいしく食べられる。探索者の欲しい物が出品されるイベントはカットしてもよいだろう。
食事後、探索者達の目当ての品物がオークションに出される。〈幸運〉判定に失敗していた場合、ジェイソンは探索者の目当ての商品を落札しようとする。突如最低落札価格の3倍の値段を宣言し、4倍まで粘る。それ以上で諦める。機械のオークションが始まる前、突如ホールの扉が開き、3人のサブマシンガンを持った男が現れる。
彼らは警備員を含め、オークション主催者側の人間を射殺し、速やかにその場を制圧するだろう。
突然の惨劇にSANチェック
0/1D4
探索者達は彼らに抵抗してもいいし、しなくてもいい。抵抗する場合は警備員が銃を持っていたことを教える。
銃は探索者達の技能に合ったものを用意する。マフィア達は手を出さない限り探索者達を攻撃することは無い。
制圧後、彼らはオークション参加者には危害を加えず、床に伏せているように言う。30分ほど経過すると、彼らは去っていく。彼らが去った後、オークション主催者の40台ほどの男性が現れ、商品が全て盗まれてしまったと話す。
オークション主催者の話
ホールにマフィアが現れたのとおそらく同時に、裏の倉庫にマフィアが襲撃してきた。警備の者もいたがあえなく射殺され、保管していたものが全て奪われた。彼らはトラックで町の外への道を走り去っていったこと。
恐らくこの町で活動しているマフィアであり、安易な行動は慎んだほうがよいこと。
警察を呼んだので、おとなしく待ってほしいと話す。
警察の到着までの時間、探索者達が望むなら倉庫の中を見ることができる。
倉庫
警備員の死体がいくつか転がっている。倉庫の中の物は根こそぎ奪われており、何も残っていない。
〈目星〉成功で警備員ではない遺体を一つ発見する。遺体から血まみれの手帳が見つかる。
複数の死体を見てSANチェック
0/1D4
下っ端の手帳
血まみれで多くは読み取れない。
3月15日
ついにガリレオ = ダリエンツォさんに認めてもらえた。今日からファミリーの一員だ。
8月30日
ガリレオさんの様子がおかしい。何か不可解な命令をすることが増えた。
しかし、酒の取引は順調だ。どこで作っているかは教えてくれない。
9月10日
今日オークション会場を襲撃する。ガリレオさんらしくない。もっと街を大切にする人だったはずだ。
警察到着
警察は熱心に捜査を進めるが、しばらくするとマフィアの仕業なので手出しはできないと言って帰っていこうとする。
どのようなことを聞いても、マフィアの仕業には手出しできないとしか答えてくれない。
何回か質問を繰り返す場合、〈アイデア〉ロール。成功で何か洗脳されているのではないか?と感じる。
〈精神分析〉で警察官達は「マフィアを捜査してはいけない」という固定観念のようなものをもっていると分かる。
警察官達は最近赴任した新人警官、ピーター・ベール以外の全員がファンの醸造酒により洗脳されている。
ジェイソン氏の依頼
警察が帰った後、探索者達のもとにジェイソン氏が現れる。ジェイソン氏は探索者達に自分が落札した物も取り戻し
てくれないかと依頼する。商品を取り戻せば、探索者達の落札した商品の値段は自分が支払うと約束してくれる。
適当な住人に話を聞くことができるだろう。
マフィアについて
5年前から勢力を伸ばしてきている。彼らの資金源は密造酒だ。
密造酒について
酒場に行けば飲める。最近、少し味が変わった気がする。おっと、話しすぎたかな。私は酒なんか飲んでないよ。
酒場について
知らないなあ……。ととぼける。何らかの交渉を行えば、「幻想の酒場」を教えてくれるだろう。
オークションについて
この町出身の冒険家が珍しい本を見つけて、街の発展のためにオークションを提案してくれたんだよ。
冒険家について
さあ、もうどこかに旅立ったらしいよ。
最近の事件について
禁酒法ができてしばらくは教団とマフィアが争っていたけど、最近は平和だよ。マフィアも逆らわなければ何もしてこない。事件が起こっても警察が解決してくれるしね。
警察がマフィアを調べないことについて
最近はマフィアが事件を起こしたことがほとんどなかったから、何故かわからない。ちょっと前までは厳しかったはずなんだけど……。
教団について
詳しくは知らないけど、5年ほど前にこの町にいた教団だ。裏で何かしていたみたいなんだけど、禁酒法の制定を機
にマフィアが勢力を伸ばし出してね。マフィアと衝突した結果壊滅したよ。
教団orマフィアの事務所はどこにある?
街の外れのほうだよ。昔教団事務所だったところをマフィアが利用している。近づかないほうがいいよ。
トラックについて
街の外へ走って行ったよ。(マフィアの事務所とは別の方向)
街の歴史について
200年ほど前に出来た港町で、イギリスとの交易に伴い発展した街。
100年前に火災があり、それ以前の記録は殆どが焼失している。
火災について
100年前に起きた火災は、街のほぼ全てを焼き尽くし、当時の有力者はほとんどか死亡したという。
しかし、火災の少し前に街に現れた浄化の炎教団の尽力により再建が進んだ。
当時の街は汚職にまみれており、火災はちょうど良かったとの声もある。
火災は教団が起こした。当時の街は汚職が蔓延っていた訳でもなく、彼らの妄想により多くの人々が死亡した。
浄化の炎教団について
彼等は100年ほど前に出来た教団で、同時期に起きた火災からの復興に手を尽くしたことで街へと溶け込んだ。
それ以降、彼等は街の自警団のようなことを行いながら活動を続けていた。
しかし、禁酒法制定によりマフィアが力を伸ばし、教団と衝突。教団関係者が殺害されたという記事が多く見つかる。
それらの記事は5年前を最後に無くなっており、以降、教団についての記事は書かれていない。
教団本部の場所が分かる。
彼等はネスター派の分派で、ネスター派らしく街の汚職をなくすため街に放火した。その後は彼らなりに街の治安を
守っていたが、マフィアとの衝突により一部の過激派を残して壊滅。残った彼等は世界の滅亡を目論んでいる。
マフィアについて
彼等はイタリア系移民が集まったグループで、禁酒法の制定を期に勢力を拡大している。
表立った揉め事はあまり起こしていないが、半年から3ヶ月ほど前の期間ではいくつか揉め事を起こしているようだ。
その内容は、ケシの花など違法な薬物の取り締まりを受けたというもの。
マフィアのボスの洗脳に成功した教団が本格的にファンの醸造酒を製造しようとしたため。
警察署は2階建てで、中に入ると左側に受付、右側には食堂があり、一般開放もされているようだ。
奥には鉄の扉と右へ曲がる通路があり、鉄の扉には拘置所と書かれている。時折、奥の通路から警察官が出てくる。
しばらくすると受付にいる署員がにこやかに何かご用ですか?と話しかけてくる。
ある程度の街の情報であれば教えてくれるが、マフィアの事については(洗脳されているため)話そうとしない。
食堂について聞く場合、警察官は全員あの食堂で昼食を食べている。よろしければどうぞと言ってくれる。
味については、皆1度か2度食べれば思わず休日も食べに来てしまうくらいおいしいと話す。
ここの食事にはファンの醸造酒が入っている。食事をした場合は資料〈ファンの醸造酒〉参照。
警察署には特に情報は配置しておらず、恐らく探索することも難しいが、強引に探索するのであれば図書館で用意されている資料や、証拠品としてファンの醸造酒の材料を発見してもよいだろう。
探索者達が警察署に訪れ、マフィアについて受付で話した場合、その話を耳にしたピーター・ベールが接触してくる。
彼は探索者達が警察署を離れてしばらくしたころに話しかけてくるだろう。
・同僚がおかしい、普段はまともなのだがマフィアのこととなると一向に話さなくなる。
・今回のオークション襲撃事件も全く捜査しようとしない。
・密造酒に関しては見逃すことも納得できるが、今回の事件を見逃すことは納得できない。
・できる限り協力するので、なんとかやつらの違法行為の証拠をつかんでほしい。
・オークション襲撃事件の証拠にせよ、酒の密造の証拠にせよ、とにかく何かあれば逮捕し詳しく話を聞くことができる。
といった事を話し、厄介ごとになるなら呼んでくれれば協力するよと言う。
また、マフィアの事務所は複数で警備されており危険なので行かないようにと念を押す。
酒場について尋ねるなら、「幻想の酒場」を教えてくれる。
街の外れにある。近づくにつれ堅気の人間には見えない人物を見ることが増え、事務所前に行くと周囲を1D6人が見張っている。〈目星〉成功で彼らが拳銃を隠し持っていることに気づく。
ピーターと接触していない場合、警察官であるピーター・ベールが現れ、探索者達を事務所から離れるよう誘導する。→ピーター・ベールとの接触
マフィアの事務所には特に情報は設定されていない。無理に探索するのであれば、内部には2D6人の武装した
マフィアがいる。彼らは探索者達に容赦なく発砲するだろう。もし、制圧に成功してしまった場合は密造酒工場と教団本部の位置に印の着いた地図を手に入れられるだろう。
ボスであるガリレオは事務所にはおらず、密造酒工場にいる。
ガリレオの死亡、発狂後は見張りはおらず、1D3人のマフィアが中にいるのみである。
町人やピーターなどから情報を得ることができる。
街の中心部からやや離れた、さびれた建物についている鉄の扉が入口。
入口には鍵がかかっており、小さな窓がある。探索者達が扉を触ると、「テキサスでは何が取れる?」と聞かれる。
「種牛とオカマ野郎」と答えると入ることができる。合言葉を知らない場合、入れない。
探索者達が特に何も思い浮かばないようであれば、次のシーンへ進む。
トーマス・グレシャムとの接触
酒場に入れない探索者達を見ると、10歳くらいの男の子が話しかけてくる。男の子は嬉しそうに酒場に入れないのか?と聞いてくる。入れないと答えると、自分は情報屋だと名乗り、お金か食べ物をくれたら何でも教えるよ!と言う。
実際は、彼は酒場の合言葉以外ほとんど何も知らない。彼は孤児で、なんとか食いつないでいるといった感じ。
彼は最終的には洗脳されてしまうので、警察署でよくご飯を食べているなどと言わせてもよい。スラムの孤児?
探索者達が既に何らかの方法で合言葉を知っていた場合、何かあったら言ってね!と言い残念そうに去っていく。
酒場はまあまあの広さで何人かの客がいる。〈目星〉に成功すれば懐に拳銃を持った客が何人かいることが分かる。彼らはマフィアだ。
カウンター席に着くと、バーテンが何を飲むか聞いてくる。酒はウィスキーやスコッチのようなものなどがある。
酒を頼む場合、バーテンはいくつか質問に答えてくれるだろう。
酒はどこから仕入れている?
分からない。私は雇われなので。支配人ならわかるかも。
支配人はどこにいる?
最近見ない。街にいないかもしれない。
※支配人は身の危険を感じどこかに逃げ去っている
支配人の家は?
酒をたくさん頼む、あるいはいくらか握らせるなどすれば答えてくれる。乱暴な手段に出れば客に紛れたマフィアがでてくるだろう。
酒場を出ると、トーマス・グレシャムが外にいて、話しかけてくる。探索者達に対して、マフィアを捕まえようとしてるの?と聞いてきて、肯定するとかっこいいなあ、俺も協力するよ!と言ってくれる。彼は調査の対象として支配人の家を教えてくれる。すでに知っていると伝えるとがっかりした様子で、分かった……何かあったら教えるからね!と言う。
特に何も無ければ、俺もなにか調べておくよ!と言い去っていく。
2階建ての家。庭には雑草が多く生えており、郵便受けには新聞がたまっている。近くの人に話を聞くのであれば、一か月ほど姿を見ていないと答える。ガレージがあるが、車は止まっていない。
家の鍵はピーターが持っている。鍵開けなり窓ガラスを破るなりして入ろう。
探索者達がまだピーター・ベールと接触していない場合、この家の2階に誰かが足を踏み入れた時点でピーターが玄関に入ってくる。ピーターは独自の調査の結果ここに訪れており、探索者達を不法侵入で逮捕しようとするが、同じ目的であることを知ると逮捕をやめ、いくつか話をする。
→ピーター・ベールとの接触
リビング(1-1)
家具はほとんどが持ち去られており、殺風景である。特に何もない。
応接間(1-2)
リビングと同様に、家具が残っていない。特に何もない。
ガレージ
車用の工具などがいくつか見つかるかもしれない。
寝室(2-1)
持っていく余裕が無かったのか、ベッドとクローゼットが置いてある。クローゼットの中には古びた服が入っている。
古びているものの、家と比べるとやけに立派である。
寝室2(2-2)
使用された形跡は無い。
物置(2-3)
不要なものが放り込まれている。扉が開いた金庫があるが、空になっている。〈目星〉成功で書斎の机の鍵を見つける。金庫の中身をとった時に落としたのかもしれない。
書斎(2-4)
古い机と、本棚がある。机の引き出しには鍵がかかっている。本棚にはほとんど本は残っていないが、帳簿のようなものが残っている。机の引き出しには、支配人の日記が入っている。
帳簿
〈経理〉で酒場はかなりの儲けを上げており、その多くをマフィアから隠していたことが分かる。
帳簿を開いた場合、メモ用紙のような物が落ちる。メモには住所が書いてあり、港の倉庫の1つであることが分かる。
支配人の日記
XX日
禁酒法とやらが制定されたが、すぐに教団のやつらが酒を売りに来た。酒を禁止することは不可能だから、安全なものを提供すると言っていた。ありがたい話だ。おかげでこっちは前より安く仕入れ、高く売ることができる。
XX日
教団との取引は順調だが、奴らの中にはいかれたやつらがいて、今すぐ町を焼き払うべきだとかぬかしてやがる。
ライナスとかいうやつだ。一体何を考えてやがるんだ。こんな町、金を貯めたらさっさとおさらばしてやる。
XX日
くそったれ!教団のやつら、最近はいってきたマフィアの連中に皆殺しにされやがった!今後はやつらが酒を卸すらしい、前よりも高い値段だ。ちくしょう。
XX日
町で教団の生き残りを見かけた。あのいかれたライナスだ。いっそのこと、マフィアの連中を焼き払ってくれればいいんだが。
XX日
しばらく日記をつけていなかった。マフィアの連中の締め付けはかなりきつい。金も全く貯まらねえ。おまけに裏切れば逮捕ときたもんだ。何とか奴らの弱みを手に入れねえといけねえ。
XX日
酒の取引の後、奴らの後を着けてみた。港の倉庫の近くで見失ったが、あそこで酒を造っているに違いない。奴らの弱みだ。しかし、慎重につかわねえといけねえ。
XX日
最近、酒の味が少し変わった。それと同じころだが、奴らの締め付けがゆるくなった。売上を隠しているが全くばれていねえ。何があったのか気になる。もう一度あの倉庫へ向かってみるか。
XX日
奴ら、酒にとんでもないものを混ぜていやがった!どこからかトラックがやってきて、例の倉庫に物を運び込んでいた。
そのトラックの積み荷を覗き見てやったら、何かの内臓とヤクときたもんだ。酒の味も変わって当然だ。
とにかく、最近のやつらはおかしい。金も貯まったし、さっさとずらかるに限る。
マフィアから生き延びたライナス・マクネアーは、ファンの醸造酒によりマフィアのボス、ガリレオを操ることに成功する。ライナスはその後、支配の手を警察全体へと伸ばすため、ガリレオにファンの醸造酒の材料調達ルートを
作らせていた。その結果、マフィアの監視が緩み、酒場の売上が隠されていることに誰も気づかなかった。
港の倉庫についてピーター・ベールに伝えると、倉庫まで同行してくれる。最悪銃撃戦になるので、装備を整えるよう、忠告してくれる。
メモに従って向かうと、港の外れにそれらしき倉庫を見つける。倉庫の入口前に見張りのマフィアが一人おり、サブマシンガンを持っている。
倉庫の中には見張りのマフィアが2人と、作業員が3人いる。見張りのマフィアは外で物音がした場合様子を見に来るだろう。中に入った場合、マフィア2人と戦闘開始。彼らはサブマシンガンで武装している。作業員は何もしない。
※サブマシンガンで容赦なく銃撃する場合、探索者達が簡単に死亡してしまうことがあるので気を付ける事
戦闘終了後、2名の作業員たちが逃げ出そうとする。捕まえると、「ガリレオさんが化け物を連れてくる!」と言う。
1人は奥の扉近くで蹲っている。
ガリレオの登場
マフィアとの戦闘終了後、奥からガリレオが現れる。
「彼の前に何千もの小さな光の点が現れた。光の点はまたたき、明滅しながら炎を形作り始める。哀れな作業員が炎に飲み込まれると、瞬く間に燃え上がり、消し炭になった。光のまたたきは終わり、今は赤々と燃え上がっている。それはまさしく生きた炎であり、明らかにあなた達へと敵意を向けていた」
炎の精、焼け死ぬ人間を見てSANチェック
1/1D6
〈目星〉成功でガリレオが何かの紙を握りしめていることがわかる。
ガリレオは特に何もしようとしない。じっくりと見るとどこか遠くを見ているように感じる。
炎の精との戦闘開始。炎の精はガリレオを庇うような位置にいる。
探索者達が逃げようとする場合、炎の精は何処までも追ってくる。DEX対抗ロールに負けると攻撃を受ける。
蒸留所には水があるだろう。また、倉庫の近くは海である。
オークションで霊的な武器を手に入れている場合、その武器も有効である。
戦闘終了後もガリレオは特に何もせず立ち尽くしている。正気を失っているようで、何も反応を見せない。
倉庫の中は炎に包まれており、脱出する必要があるだろう。勇敢にも奥へ向かうのであれば、ネスター書簡を発見することができる。ファンの醸造酒やその材料などもある。
どれか1つ程度であれば持ち帰ることができるだろう。ただし、脱出するには炎の中を走り抜ける必要がある。
度数の高い酒があったのか、倉庫内は激しく炎上しており脱出は困難だ。
奥に向かわなかった場合は無事脱出できるが、そうでない場合はDEX×5のロールを行う。
成功で2D6、失敗で3D6のダメージ。直ちに体の火を消さない場合は更なるダメージ。
水をかぶるなどして対策していた場合は減少させる。
ガリレオの死亡、もしくは発狂によりマフィアは統率を失い、多くの構成員はどこかに去っていく。
メモを手に入れられなかった場合は、マフィアの事務所に誘導すればよいだろう。
ガリレオのメモ
走り書きのメモで、「明日8時 荷物」と書かれている。その周りには「俺が書いたのか?」「違う」「頭の中に何かいる」「俺じゃない?」「いつからだ」「誰だ」「俺は誰だ」と震えた字で書かれている。
ガリレオは何らかのきっかけで洗脳に気づいたが、気がくるってしまった。
なお、翌朝7時あたりにライナスが〈ヨグソトースとの接触〉を唱える。PCへの影響として、周辺の時間が5秒ほど巻き戻っているような気がする。〈アイデア〉ロールに成功するとこの事実に気づき、SANチェック。
時間が巻き戻ったことに気づきSANチェック
1/1D3
翌朝8時、倉庫にトラックがやってくる。倉庫の近くで一度停車し、運転手が下りてくるが、倉庫の様子を見るとトラックに戻り引き返していく。運転手はマフィアの一員。荷台にはクマの脾臓やケシのヤニなどがつまれている。
運転席には地図があり、教団本部の位置に印が付いている。
運転手は、ガリレオがライナスと何やら話していたこと、ここに来る前にライナスが何やら石の塔を建て儀式のような事をしていたことを知っている。
準備を整えて向かったほうが良い、消火器を探す場合50ドルほどで手に入れることができる。
町から車で10分ほどのところに、10mほどの石の塔と、建物がある。石の塔の前にローブを着た大柄な男(ライナス)がおり、背を向け何やら呪文を唱えている。彼の周りにはオークションに出品されていた本と機械があり、手には赤い宝石を握っている。男の周りには3つの炎が浮かんでおり、それらは無数の光の点で構成されている。炎の精は儀式を行う者たちを守るように動く。その他に男と同じローブを着た男たちが何人も跪いているが、彼らは特に何もしない。
呪文を阻止しようとする場合、3体の炎の精を5ターン以内に倒す必要があるだろう。建物の中には午後の部に出品されていた本と機械以外の品が残っている。ここにない2品は魔術師が持っている。
阻止できなかった場合
ヨグ=ソトース(p226)が召喚される。
「男が呪文を唱え終える。男の正面に巨大な門の様な穴が開き、その向こうには暗闇が広がっている。
その暗闇に、巨大な光の玉が集い始める。それは玉虫色の球体であり、絶え間なく形を変え、結合している。
常に泡立っているその塊は、まさしく、時空の一番底の墓地の向こう、核となる混沌の中から来た異形のものだ」
ヨグソトースを見たSANチェック
1D10/1D100
ライナスはヨグソトースを見ると、探索者達を指差す。これはヨグソトースの召喚の際に必要な生贄を選ぶもので、
KPは1D20を振る。ライナスの周りにいるローブの男たちがヨグソトースの生贄としてもよいし。出目によっては探索者を生贄としてもよい。
生贄となったものにはヨグソトースの体が近づいていき、体に触れられると消えてゆく。
続けて、ヨグソトースの体を構成する玉虫色の球体が数を増し、探索者達を飲み込む。
阻止した場合
ヨグ=ソトースは召喚されない。呪文は中断され、魔術師は時空のねじれに飲まれて消える。魔術師は本と機械と共に消えてゆくだろう。続けて、探索者達の体も徐々に消え始める。向こうの建物にあるもの何か一個くらいなら報酬として持って行けそうだあ!
ライナスは時空に飲まれたタイミングで本と機械を手放す。宝石は手放さない。
阻止した、しないを問わず本と機械はトーマスの手に、宝石はライナスの手に渡る。
共通のエンドとして、どちらの場合でも現代アメリカへと転移する。〈幸運〉に成功すればどこかの街に、失敗すれば町から少し離れた場所や、ひどい場合は山奥などに転移するだろう。カナイ町について調べると以下のことが分かる。
① 召喚を阻止していた場合
カナイという街は現在もそのまま形を残しており、なかなかの大きさになっている。
あの事件の後、警察は今までの遅れを取り戻すかのようにマフィアの検挙を行い、マフィアは一掃されたようだ。
浄化の炎教団について調べると、小規模ながら存続しており、現在は日本で主に活動しているらしい。
1D20の正気度回復
②召喚を阻止できなかった場合
カナイという街は、ある日突然消滅したことが分かる。現在残っているのは大きなクレーターのみだという。
しかし、あなた達は幸運にもあのおぞましい化け物から逃れたようだ。このことに、あなた達は強い安心感を覚える。
浄化の炎教団について調べると、小規模ながら各国に支部があり、現在は日本で主に活動しているらしい。
1D20の正気度回復
後日、探索者の元に手紙が届く。
まず、名前を伝えられない無礼をお詫びします。
あなた達が争った浄化の炎教団は、現在日本で活動しています。
あなた達には、彼らの活動をなんとか止めてほしいのです。全てがうまく行けば、あなた達を元いた時代に返すこと
も出来るでしょう。彼等は日本の蓮田町にいます。まだ時間には余裕があります。同封のパスポートをお使い下さい。
しっかりと、準備を怠らないようお願いします。
いくらかの日本円と、パスポートと、来年3月に日本へ向かう便の航空チケットが入っている。現在は9月。今から半年の間、準備しろということだろう。
これはトーマスからの手紙。ライナスにより洗脳されてしまったトーマスは、ライナスが再び現れた50年前からライナスの指示を受け教団の一員として働いており、現在は幹部として日本にいる。90年が経過したせいか、彼は洗脳から僅かな時間ではあるが解放されることがある。この手紙はその隙に送られたもの。
不定の狂気に陥った探索者は、この期間に入院が可能だろう。
日本に向かうため、日本語の勉強をしたということで3回の〈日本語〉成長ロール。
続けて、任意の技能で5回の成長ロール。但しあまりにも理由付けが難しい技能は不可。
魔道書の研究をしてもよい。
ただし、入院している探索者は3回の成長ロールとする。