シナリオ傾向:シティ、現代
推奨人数:3人~
戦闘:有り
推定プレイ時間:4時間
難易度:ふつう
システム:クトゥルフ神話TRPG
数十年前から、世界中で稀に現れる奇病。その病は1つの地域で連続的に起こることで知られるが、原因はいまだ不明である。
奇病はある日突然発症し、患者は体の全ての機能が正常なまま、二度と目を覚ますことは無くなる。
日本の蓮田町で同様の病気が発生したが、この奇病の権威という医者が来日し治療に成功した。
しかし、治療された患者は皆精神が不安定で、正気とは言えない。探索者達は患者の家族や知り合いから、治療の真相を調べてほしいと頼まれる。
約90年前、生き残りのライナス・マクネアーを失いほぼ壊滅した浄化の炎教団だったが、50年ほど前にライナス・マクネアーが再び現れたことで再結成される。ヨグ=ソトースからパラジウムの箱とハスターの解放に関する知識を得ていた彼は、世界各地に教団の支部を作り、密かに人の精神を閉じ込めていた。50年の歳月をかけ綿密に進められた計画は、日本の蓮田町で完成目前まで迫った。
教団ではファンの醸造酒の製法は失われていたが、唯一洗脳済みだったカナイ町のトーマスを利用し蓮田町に教団支部を作る。もっとも信用できる部下に任せ安心しきっていたライナスだったが、トーマスがたびたび洗脳から解放されることにより町に探索者が呼び寄せられる。
また、パラジウムの箱による精神の収集により妻を失ったアダム・フォーブス博士はその症状をフォーブス病と名付け、独自に調査を進めていた。フォーブス博士がオカルトの視点から病気を調査し始めたことで、教団は被害者に僅かに精神を戻し、病気を治療させたと見せかけフォーブス博士を諦めさせようとする。生来の用心深さにより教団の暗殺は回避していたフォーブス博士だったが、患者が突如回復したことにより、ついに調査を諦め帰国しようとしていた。
パラジウムの箱
POWを吸収し、別の物に与えることができる箱。(KC99P)
幅30cm、厚さ5cmほどの白銀の箱で、二つの美しい彫刻が木製の取っ手が付く。
耐久力分のPOWを閉じ込めることができる。耐久値は100。
耐久値を超えたPOWは失われる。
使い方を理解するためには、パラジウムの箱についての知識を得たうえで
〈クトゥルフ神話〉に成功しなければならない。
ビヤーキー
STR18 CON11 SIZ18 POW11 DEX14 INT11 HP15 DB+1d6 SANチェック1/1D6
武器
かぎ爪 35% 1D6+DB
噛みつき 35% 1D6+吸血(1Rに1D6STR)
※2点の装甲
※かぎ爪の場合は2回攻撃
※一度吸血が始まればどちらかが死ぬまでやめない
※吸血によって失ったSTRは適切な治療を行うことで1日に1D3回復できる
NPC
武田一郎
STR10 CON7 SIZ11 POW3 DEX11 INT14 APP14 EDU16 HP9
大島 茂 無職 170cm 65kg 75歳
STR15 CON10 SIZ11 POW4 DEX11 INT13 APP8 EDU20 HP11 MP4 SAN20 アイデア65 幸運20 知識99 DB+1d4
軽度の認知症?
フォーブス病からの回復以来、認知症のような症状が出始め、町を徘徊している。
昔は林業で生活していたらしい。
探索者が弱そうだったらお助けキャラとして協力させる。
技能
杖85
応急手当70 追跡60 聞き耳65 目星65
機械修理70 重機械操作70 製作(木材)70 電気修理70
クトゥルフ神話5 芸術(盆栽)35 博物学46
武器
杖 1D8+DB
アダム・フォーブス 医師 172cm 55kg 71歳
STR10 CON9 SIZ11 POW16 DEX13 INT14 APP10 EDU20 HP10 MP16 SAN20 アイデア70 幸運80 知識99
フォーブス病の研究者。
非常に警戒心が強く、なかなか心を開いてくれない。
偏屈な性格だが、やる気を出すと結構頑張ってくれる。
日本語はあまりうまくない。
技能
図書館65 目星65
信用75 説得27 ドイツ語51 日本語21
医学85 オカルト45 クトゥルフ神話20 経理50 生物学80 薬学80
〈呪文〉
≪記憶を曇らせる≫P255 1D6MP 1D2SAN消費
対象と自身のMPで対抗ロール。成功した場合は対象から特定の出来事の記憶を消す。
トーマス・グレシャム 狂信者 200cm 85kg 100歳
STR6 CON6 SIZ18 POW17 DEX7 INT15 APP7 EDU21 HP12 MP17 SAN15 アイデア75 幸運85 知識99
浄化の炎教団蓮田町支部の支部長。
90年前にファンの醸造酒で洗脳されて以来、洗脳が続いている。
洗脳から40年ほどの期間は洗脳者がいなかったため、探索者たちへの憧れから探偵として生活していた。
50年ほど前に洗脳者であるライナスが再び現れ、その後は教団に身を捧げ働いている。
洗脳されているためライナスから最も信用されており、重要な地である蓮田支部を任された。
しかし、彼の洗脳は90年の歳月で曖昧になっており、時折洗脳から解放されることがある。
その隙に探索者をこの町へ呼び込んだ。
また、90年前の事件の中心地でエイボンの書と古代アトランティスの機械を手に入れ研究を進めている。
しかし、ライナスはこのことを知らない。
彼が正気ではない状態で戦闘を行うことになった場合、パラジウムの箱からPOWを取り出し戦うだろう。
技能
隠す75 隠れる60 聞き耳75 図書館75 目星65
説得75 日本語50 センザール語61
化学61 クトゥルフ神話40 心理学80 薬学22
〈呪文〉(このほかにもいくつかの呪文を覚えている)
エイボンの書によるもの
≪門の創造≫289P
≪レレイの霧の創造≫292P
≪被害をそらす≫278P 1MP 1SAN消費
ダメージを同値のMPを消費しそらすことができる。
≪石化≫KC88P
化学ロールに3回成功する必要がある。
任意のMPを消費し、3日間実験室にいるとこの液体を作ることができる。
無色でひどい味の液体で、飲んだものは液体に込められたMPと対抗ロールを行う。
失敗した場合は、1D4分後に犠牲者の体は急速に硬化し生きた像となる。
≪ヴールの印≫252P
≪手足の委縮≫272P 8MP 1D6SAN消費
10m以内の対象の一人とMP対抗ロール。成功すれば対象の手足のうちどれか一つをしぼませ縮ませる。
対象は耐久力を1D8ポイント失い、CON3ポイントを永久的に失う。犠牲者と目撃者は0/1D3の正気度喪失。
≪記憶を曇らせる≫255P
対象と自身のMPで対抗ロール。成功した場合は対象から特定の出来事の記憶を消す。
教団によるもの
≪ビヤーキーの召喚/従属≫283P
MAP
蓮田町
A.ホテル、公園
B.図書館
C.吉田葵のマンション、大学
D.条火病院、小学校
E.教団、蓮田タワー
F.大島茂の家、公民館
G.武田一郎のアパート、神社
教団
PL用
KP用
継続探索者の場合、街に到着してしばらく経ち、落ち着くところも見つけることができたといったところからシナリオを開始する。
蓮田町は都会から離れた、山間の盆地にある、まあまあの町。今回はこの町を舞台とする。
6月、探索者達は知人の家族などからある相談を受ける。内容は、最近蓮田町で発生している奇病、フォーブス病が発症した
友人または家族が奇跡的に回復したのだが、様子がおかしいというもので、可能であれば様子を見てきてほしいという。
彼等はフォーブス病の治療の際に問題があったのではと考えており、どういった治療が行われていたのか調べてくれと話す。
涙とか金でうまいこと頼んでくる。
彼等はみな蓮田町で一人暮らしをしていて、同じ街にある条火病院に入院していたが、治療法が怪しかったと話す。
継続探索者の場合、小さなホテルの主人である吉田奈津子から相談を受けることが多いだろう。
治療について
アメリカから来た博士がやっていた。名前や詳しいことは何故か思い出せない。
フォーブス博士は非常に警戒心が強く、この町を去ることを決めた際に記憶を消して回った。
フォーブス病とは?
数十年前から世界中ではやっている病気。ある日突然意識を失い目覚めなくなるらしい。アメリカのフォーブス博士が発見し、名付けた。
この町では5年ほど前から発生していて、10人ほどの患者がいる。
フォーブス博士って?
分からない。
他の患者は?
何人かいたが、回復したのは3人だけ。ほかの2人についても教えてくれる。
条火病院とは?
10年ほど前にできた病院。一緒の時期に浄化の炎教団もできた。
浄化の炎教団が作った病院。普通の病院だが、フォーブス病の患者を隔離すると言う目的でも建てられている。
患者
武田一郎
母、武田晴子が相談に来る。
26歳の在宅勤務のデザイナー。星を見ることが好きで、蓮田町で暮らしていた。(蓮田町は12月にアルデバランがとても美しく見える。)
3ヶ月前にフォーブス病を発症し、1ヶ月前に回復した。その後、誰とも連絡を取らず、仕事も行っていないという。
母親である晴子が何度か尋ねた時は、晴子を敵だと罵り家に入れようとしなかった。
母親は友人である探索者達ならなにか違うのではと期待している。
武田一郎は不定の狂気として偏執病を発症しており、周りの人間は全て自分を殺そうとしていると考えている。
新規探索者の導入用?
大島茂
孫で大学生の大島佑樹が相談に来る。
蓮田町で一人暮らしをしている。80歳の老人だが、まだまだ現役じゃと話しながら趣味の剣道や盆栽に勤しんでいたという。
2年前にフォーブス病を発症し、1ヶ月前に回復した。しかし、意識を失う前とは打って変わり、ほとんど記憶がなく街を徘徊しているという。
先日会いに行った際は孫である佑樹の記憶も無かった。自分はしばらく様子を見られないため、一度様子を見てきてくれないかと頼む。
そして、治療法が怪しいので可能ならば調査してくれとも依頼してくる。
実は結構強い。探索者達に戦闘力が無かったらこいつに頑張らせたい。
新規探索者の導入用?
吉田葵
蓮田町にある小さなホテルオーナーで祖母である吉田奈津子が相談に来る。
ホテルから少し離れたところで一人暮らしをしている。大学生で近くの蓮田大学に通っていた。半年前にフォーブス病を発症し、1か月前に回復した。しかし、以前のような元気が無く、ひどく落ち込んだ様子だった。先日、心配した祖母が様子を見に行ったところ、手首を切り倒れていた。それ以来毎日様子を見に行っているが、今日は腰が痛くて動けそうにないので見に行ってくれと頼んでくる。きっとあの博士の治療のせいでこうなったんじゃと嘆いており、何か調べてくれないかと頼んでくる。探索者達を信頼しており、家の鍵を渡してくれる。
また、余裕があればほかの2人の患者の様子も見てくれないかと頼む。孫の葵は最近少し落ち着いてきており、今日中であればすぐに見に行かずとも大丈夫だと思うと話す。
継続探索者の導入用。
3人とも、近所の人や知り合いなどから、オカルトに興味を持っていたという情報を出してもよい。
このシナリオでは、神社、タワー、公園、大学、公民館、小学校などが登場するが、3話への伏線としてであり、たいした情報は得られない。
フォーブス病
初めて確認されたのは45年前。ある日突然意識を失い、目覚めなくなる。体の状態は至って健康で、いつ目覚めてもおかしくない。
人から人への感染は確認されていないが、同じ地域で何人か連続して患者が出るという特徴がある。世界中で見られる病気。
アダム・フォーブスというアメリカの医者が発見したらしい。
フォーブス博士
アダム・フォーブスというアメリカの医者がいる。現在70歳ほど。
フォーブス病の発見者。世界中で起こっていた意識不明事件を関連付け、フォーブス病と名付けた。以降も研究を続けているが、
治療法は発見されていない。妻もフォーブス病の患者だったが、数年前に死亡した。
条火病院
10年ほど前に蓮田町にできたという記事が見つかる。特にトラブルなどは起こしていないようだ。
浄化の炎教団が作った病院。普通の病院だが、フォーブス病の患者を隔離すると言う目的でも建てられている。
浄化の炎教団
10年ほど前にできたというゴシップ誌の記事が見つかる。信者の勧誘などは行っておらず、何処からともなく人が集まってきたという。
世界中に支部があり、現在最も活動が活発なのは日本支部だと書かれている。支部長は100歳ほどに見える外国人だと書かれている。
過去の事件
蓮田町では過去に大きな事件は起こっていないが、言い伝えが見つかる。
「遥か昔、後星が最も輝くとき、蓮田山の頂に神が降り立った。神は迫害される我々のため、山を削り、安寧の地を与えてくれた」
「神を信じぬものはすべてこの世を去り、蓮田の地には神を信ずる民のみが残り、平穏な生活を送った」
「神は後星が消えるとともに、この地を去った。それ以来、神を見たものも呼び出したものもいない。神を知る者も全て消えた」
蓮田町は山間の盆地にあるが、蓮田山という山は無い。昔何があったんだろう?
武田一郎のアパートは蓮田町の外れ、山の近くにある。近くの山の神社からは非常に星が良く見えるらしい。
もし、神社へ向かった場合、神主から蓮田町の言い伝えが聞けるだろう。(図書館参照)ただし、神主は知識として知っているのみで、神社でその神を祀っているわけではなく、この辺りを開拓しおさめていた香伊黄衛門という人物を奉る神社らしい。
2階建てのアパートに住んでいる。隣の住人に聞くと、彼は常に家にいて、通販で何やらいろいろ頼んでいること。退院してから様子がおかしいこと。この前、お前は敵だと叫んで襲ってきたことを教えてくれる。しかし何も持っておらず引きこもり生活のせいか非常に貧弱だったので大事にはならなかったと笑って話す。
〈聞き耳〉で部屋の中にいることが分かるが、返事はない。何らかの方法で扉を開けさせた、あるいは開けた場合。彼は探索者達を自分を殺しに来た敵だと思い込みこぶしで襲いかかかってくる。
彼を〈精神分析〉などで落ち着かせると、話をすることができる。探索者達が〈精神分析〉を持っていない場合は何らかの技能で代用できることとする。〈精神分析〉を持っている場合は彼に偏執病の症状があることが分かる。
彼は、信頼できるのはAmazonとヤマト便、そしてフォーブス博士だけだと話す。しかし、自分を治療した先生のことはよく覚えていない。
しかし、名前はフォーブスというおじいさんだったと思うと答える。最近は会えておらず、先生が消されていないか心配だと話す。
何故か先生には居場所を教えてもらえなかったと悲しそうに話す。彼は、先生はおじいさんには親切にしていたのにとぼやくだろう。
大島茂の家は、武田一郎のアパートよりも町の中心部に近いところ、公民館のすぐ近くにある。
もし、公民館へ向かう場合、大島茂の出没情報を効率よく集めることができるだろう。
こじんまりとした和風の家屋に住んでいる。しかし、家の中にはいない。近所の人に聞くと、公園で木刀を振っていた。図書館で涼んでいた。病院で診察されていた。街路樹の手入れをしていたなどの話を1人1つ聞くことができる。
それぞれの場所に行き、幸運ロールに成功すればあうことができる。そのうち自宅にも帰ってくる。
彼はすごく元気な老人で、65歳じゃと話す。ほかの人に聞くと75歳ぐらいだと教えてくれる。ものすごく元気に答えを返してくれるが、ボケていて何を話していてもすぐ忘れたり、最近のことを覚えていなかったりする。かろうじて覚えている情報として、自分を診察していた先生の名前はアダムで、とてもいい人だったと話す。どこかに滞在していたんだが、思い出せないと話す。応援してあげると、確か吉田さんのホテルじゃ!と思い出す。
吉田奈津子がオーナーのホテル。継続探索者はここに泊まっているだろう。ホテルの近くには公園がある。
公園によくいる人間は、どのような人物がホテルに泊まっているか知っているかもしれない。
以上の情報から蓮田町のホテルに向かった場合、オーナーの吉田奈津子は、客の情報は話せないと言いほかの宿泊客のことを教えてくれない。
また、何故か吉田奈津子はフォーブス博士のことをトムと言う名前のただの外国人観光客だと思っている。何とか説得した場合、娘の様子を見て
きてくれれば教えてもいいと答える。
吉田葵の家は、町の西部、蓮田ホテルから少し離れたところにある。近くには大学があり、吉田葵はここに通っていたようだ。
大学で吉田葵の話を聞いた場合、病気にかかる前は友人と楽しそうに行動していたこと、回復後は少しだけ大学に来ていたが、人を避けるように行動していたことが分かる。
ホテルから少し離れたところにある賃貸マンション「蓮田マンション」の一室に住んでいる。周りの住人は、彼女とはあまり付き合いが無かったのでよく知らないが、最近は家にいるようだと話す。〈聞き耳〉でも家の中から音は聞こえない。家の中に入ると、電気がついておらず薄暗い。
家の中は風呂場から血のにおいがする。中では女性が手首を切って倒れている。
SANチェック
0/1
〈医学〉や〈応急手当〉で治療できるが、意識は戻らない。救急車を呼ぶとよいだろう。彼女は条火病院へと搬送される。
浄化病院は町の中心部、小学校の近くにある。病院の近くでは蓮田小学校の生徒たちを見ることができるかもしれない。
彼らは病院の先生はみな親切なこと。病院には鳥人間のような化け物が現れるという怪談があることを教えてくれる。
よくある病院。フォーブス病の患者も何人か入院しているが、隔離されており会うことは難しいだろう。職員に質問すると情報を得られる。
また、フォーブス病の患者を診ることができた場合、〈医学〉などで全ての身体機能は正常だが何故か意識が無いということが分かる。
フォーブス病について
5年前から患者が出ている。私たちでは詳しいことはわからない。アメリカから来た先生が3人回復させたらしい。すごい!
この病院について
10年ほど前にできた。結構働きやすいしいい病院だと思う。院長先生はあまり見たことが無い。
院長先生について
凄く年を取っている。大柄で100歳くらい。フォーブス病の患者を熱心に診ていた。更に聞くと、近くの教団に出入りしていたという話を聞ける。
院長は教団支部長であるトーマス・グレシャムである。
70歳ほどの偏屈な老人。人と接することがあまり好きではない。しかし、やる気になると男らしいこともしてくれる。日本語はあまり話せない。
吉田奈津子のホテルの一室に泊まっている。非常に警戒心が強く、簡単には部屋に入れてくれないだろう。フォーブス病について何か知っているそぶりを見せたり、回復した患者の様子について話をしたいと言うと扉を開けてくれるかもしれない。
フォーブス博士は既に荷造りを済ませており、もうアメリカに帰ると話す。長い間研究を行っていたが何もわからず、ついには何もしていないのに突如患者が回復。その原因も不明で、治すための目的もなくなった(妻の死)し、もう疲れたんだと言う。
フォーブス博士は教団に命を狙われており、本人もそのことに気づいている。そのため非常に警戒心が強い。教団が何やら病気と関連していると考えているが、調査に向かえば間違いなく殺されると思っているため、行動にはうつさない。
フォーブス病について
健康な人間が突如意識を失うという病気。患者は意識を失った状態で発見され、意識を失う瞬間を見たものはいない。また、同じ地域で連続して発生するという特徴があるが、感染性は無い。近頃はあまりにも手がかりが無く、少し別の方向で調べていたが、3人の患者が
突如回復した。その原因が全く分からず、病気の研究に疲れてしまった。
どういう治療をしていた?
ああ、いや、それはな……と、少し話しにくそうにする。交渉系の技能が必要だろう。成功するとその内容を話してくれる。
「この病気があまりにも非現実的すぎるので、少し血迷ったんだ。オカルトと言えばいいのかな?ある日突然そういう知識が湧いてきてね。
いろいろ試してみたんだ。やってみせよう。君は何歳かね?」
と、段々と興奮しながら話してくる。年齢を答えると、フォーブスが何やら呪文を唱え出す。しばらくすると、呪文を唱え終わったフォーブスが
年齢を尋ねてくるが、探索者は答えられない。
SANチェック
1/1D3
「ふふ、思い出せないだろう?ちなみに君たちはXX歳だ。これは記憶を消す呪文なんだよ。ある日突然頭の中に湧いてきたんだ。これ以外にも色々思いついてね。薬の調合とかなんだが、まあ、いろいろ試してみたんだよ。実際に患者には投与していないがね。しかし……やっと
成果が出るかと思ったらあの3人の回復だ!もうわけがわからないんだよ!」
薬とは?
カバンからごそごそと透明の薬と青い薬を取り出してくれる。同時に、何やら材料の様なものも見える。その多くは植物のようだ。
〈博物学〉や〈薬学〉でそれらは昆虫の羽や毒性のない植物などであることが分かる。青い薬については〈薬学〉で特に危険はなさそうだということが分かるが、効能まではわからない。透明の薬については詳しく判断することはできない。透明の薬はすごくまずいんだと話す。
せっかくだから飲むか?と聞いてくる。青い薬は1D3+1本、透明の薬は1本飲ませてくれる。透明の薬は調合が難しかったんだと教えてくれる。
効果については、まだ実験したことが無いので分からないが危険は無い。フォーブス病からの回復を目指していたと話す。
青い薬を探索者が飲むなら、1D100。20以下を出せばSAN値が1回復する。それ以外では、少し元気になったような気がする。
透明の薬を探索者が飲むなら、MP1とのMP対抗ロール。失敗すると1D4分後に石化する。成功すればすごくまずい液体だなと思う。
石化を見た場合SANチェック
1/1D4
石化した探索者が出た場合、フォーブス博士は非常に申し訳ないと謝り、なんでも協力してくれるだろう。
浄化の炎教団で石化した人間の治療を行っている。しかし、シナリオ中に治療してもらうことは非常に困難だろう。
教団について
あの教団は非常に怪しいと思っていること。しかし、奴らに命を狙われていて思うように調査ができなかったと話す。そして、疲れたからもういいんだと言う。自分がフォーブス病の診察で行く先々に彼らの支部があったという。彼は教団についてそれ以外の情報は持っていない。この前教団の見学に誘われたが殺されるに決まっているので行かなかったとも言う。
患者たちの記憶を消した?
自分の身を守るために消した。ごめんね。君たちの記憶はたぶん消さないよ。
教団の調査についてきてくれ
教団に入るためには彼を同行させる必要がある。
交渉系の技能を成功させたり、丁寧に事情を説明したりすれば、そうだな、どうせこのまま老いて死ぬなら、病気の解決を最後までやり遂げるのも悪くないだろう!と結構乗り気でついてきてくれる。探索者達の戦闘力が低そうだった場合、大島茂を連れてくる。
フォーブス博士の呪文や薬の知識は、洗脳から解放された状態のトーマスに教えてもらったもの。その後、トーマスは〈記憶を曇らせる〉魔術を使い、自身が知識を教えたというフォーブス博士の記憶を消した。
なお、フォーブス博士は〈記憶を曇らせる〉呪文を探索者達には教えない。この呪文は危険であると考えているためである。
しかし、探索者達が頼み込めば、探索者達のために呪文を使ってくれることはあるかもしれない。
教団は町の中心部にある。教団に近づくと、蓮田タワーが見えてくるだろう。このタワーは100mほどの高さで、町で最も高い建物である。
中には多くの教団信者がいるが、彼らはとても親切である。内部の構造について少し教えてくれるかもしれない。
条火病院の近くにある。大きな塀で囲われており、入口は一つだけである。入り口には男が二人立っている。探索者達が話しかけると、関係者以外は立ち入り禁止だと話す。また、現在は一部の例外を除いて入団や見学も認めていないと話す。質問にはあまり答えてくれない。
フォーブス博士が同行していると、「見学ですね?どうぞこちらへ」とにこやかに案内してくれる。武器を持っている場合は預けるように言いどこか(倉庫)に持っていく。
教団の敷地には所々に人がいる。敷地に入った時点で〈目星〉。成功すれば、全員がさりげなくこちらの様子をうかがっていることに気づく。
教団の建物は大きな一階建ての建物で、白を基調としている。入り口の2人の男はガラス製の両開きの扉の前まで探索者を案内した後、案内を呼んでくるのでここで待っていてくださいといい1人が中へ入っていく。帰りを待っている間、男がいくつか話しかけてくる。
この教団は100年以上の歴史があり、アメリカのカナイ町(滅んでいる場合は名前を言わない)で誕生した。元々はどこかの教団の分派だったが、今は完全に独立した教えを持っている。現在最も活動が活発なのはこの日本支部で、見学するのは非常に光栄なことだとも言う。
だから、しっかり見ていってくださいね、先生。とフォーブス博士に言うだろう。その他に、探索者達との関係を質問するかもしれない。
彼らは病気のことをかぎまわるフォーブス博士を教団の奥で始末しようと考えているため、決して逃がしてはくれないだろう。
見学中に逃げるそぶりを見せた場合、何処からともなく信者が集まってきて探索者達を取り囲む。
彼らは支部長の名前を知らない。聞けば、100歳ほどの老人ですと答えるだろう。
しばらくすると入口の男が一人の若い女性と現れる。彼女は「本日案内を担当する大塚です」と言い、探索者達を教団の中へと案内する。
入口にいた男二人は入口へ戻っていく。
教団内部
入口を抜けると、建物の中心にある舞台が目に入る。舞台の前には200ほどの座席があり、更にその前、入口のすぐ近くには喜捨箱がある。
舞台には幕が下りており、中は見えない。座席には何人かが座っており、談笑しているようだ。
「こちらで支部長の説法や皆での礼拝を行います。今は教団内にいる人も少ないですが、いつも満席になるんですよ。みなさん、そこの喜捨箱にお布施をしていくんです」と大塚が案内してくれる。彼女は喜捨箱を見てニコニコしている。
ある程度時間が経過するか、探索者達がお布施をすれば案内が続く。
「右手にはトイレと食堂、修練室、医務室があります。トイレや食事の必要があればどうぞご利用ください」
食堂は至って普通の食堂と言った感じ。基本的な定食なら大体出てくる。味はそこそこ。
食事がすめば、大塚は修練室へと案内してくれる。
修練室
「修練室では来たるべき日に備え、教団員が精神を高める訓練を行っています。来たるべき日については、いずれわかりますよ」
修練室の中では老若男女様々な人間が20人ほど胡坐をかいて座っている。彼らは全員真剣な顔で目を閉じ、手を合わせている。
「ここでは、こちらの薬を飲み精神を集中させるんです。集中に失敗すると薬の影響が出るのですぐ分かるんですよ。お試しになりますか?」
大塚はニコニコしながら無色の薬を差し出す。フォーブス博士はその薬を見てあっと呟く。その薬はフォーブス博士の作った薬と同じように見える。探索者が博士の薬を知らない場合はただの無色の薬だと思うだろう。どの技能でもその効果はわからない。
しばらくすると20人の信者たちが薬を飲み始める。薬を飲む場合、MP3とのMP対抗ロール。対抗ロールに失敗した場合、1D4分後に石化する。
20人の信者たちは薬を飲み瞑想を始めるが、しばらくすると5人の信者の様子がおかしくなる。彼らは苦しみだし、動きが鈍くなる。
肌の色が灰色の変わり始めたかと思うと、それが急速に体全体に広がり石化してしまう。
石化を見てSANチェック
1/1D4
フォーブス博士はその様子を見て青ざめている。自分の作った薬がこのような効果を生み出すとは思っていなかったようだ。
大塚は「瞑想に失敗してしまうと石化するんですよ。でも、大丈夫です。そこの医務室で10分ほど治療を受ければ回復できます」と言い、他の信者が石化した信者を運んでいく。探索者達も治療を受けることができる。大塚は、せっかくなので医務室も見学しましょうと言い案内してくれる。
医務室
保健室の様な雰囲気だが、沢山のベッドが並んでいる。大塚が、ここで瞑想に失敗した人や気分の悪い人の治療を行うと説明してくれる。
探索者が石化していた場合、ベッドの上で薬の様なものを塗られ、呪文のようなものを唱えてもらえる。10分ほどすると石化から回復する。
大塚は「次は図書室ですよ。この教団についていろいろ書かれた本が置いてありますから、読んでみてください。図書室で2時間ほどすごしていただければ、支部長様と面会の時間になりますから、お楽しみに」と言い図書室へと案内してくれる。
図書室
喜捨箱の前を横切り、守衛室と応接間の先へ行くと図書室がある。近くには大きな鉢植えがあり、観葉植物のようなものが生えている。
図書室に入ると、大塚はここで2時間ほど待っていてくださいと話どこかに出ていく。但し、出る際に中にいる信者に探索者達のことを見ておくようにと頼んでくるだろう。中には1D3人の信者がいる。
図書室には、教団の歴史、教団の目的、教団長についてなどの本がある。どれも薄っぺらい内容を装飾したような感じで、読むには1時間かけて日本語ロールを行う必要がある。以下は要約した物。
教団の歴史
我々の教団のルーツは150年ほど前にまで遡る。ニューヨーク近くの港町、カナイ町で、我々の教団はネスター派の分派として生まれた。
当時、カナイ町では大規模な火災が発生し、我々はその復興を手助けすることにより地域に定着した。それ以降、我々は地域の安全を守り住民たちと共に信仰を育んでいた。しかし、禁酒法の制定と共にカナイ町でイタリアンマフィアが力を伸ばし始めた。教団は地域の安全を守るため、イタリアンマフィアと戦ったが、敗北。教団本部は焼失した。その際に教団の教えを記した巻物のほぼすべてが焼失。教団は壊滅状態に陥った。しかし!我々の親愛なる教祖ライナス=マクネアー様はその悲劇から逃れ、教団を再興する。更に、神の啓示を受けたライナス様は新たな教義を制定。この教えが現在の教団へとつながる。ライナス様は不幸にも90年ほど前に殺害されてしまうが、50年前に復活を遂げ、教団は万全となった。
教団の目的
我々の目的は、来たるべき日に儀式を行い、この地に神を降臨させることである。神の降臨により、世界は解放される。解放された世界では
我々の教義を信じ、神を崇めるもののみが生き残ることができる。さあ、後星に宿る我らが神を崇め奉るのだ。
その他にも、精神の鍛練や地域社会への奉仕なども行う。
日本の地では支部の建設と共に病院を開院し、地域への貢献を行っている。
教団長
我々の教団長はライナス=マクネアー様である。ライナス様は現在90歳を超えているが、毎日欠かさず我々に神の教えを伝えて下さっている。
ライナス様の生まれはイギリスのとある男爵家で、ライナス様は貴族としての教育を受け育った。素晴らしき智慧と気品あふれる立ち振る舞いを身に着けたライナス様だったが、ある日、アメリカへ向かい民の力へなれとの啓示を受ける。ライナス様はその神の声に従い、アメリカの地へ向かう。啓示に従いアメリカのカナイ町へ降り立ったライナス様は、そこで浄化の炎教団と出会う。教団に入信したライナス様は、その教えを学び、自らの物へとしてゆく。その後、教団は不幸にも壊滅するが、全ての教えを完全に記憶していたライナス様により復興。現在に至る。
探索者達は、何とか信者の眼をかわし、他の部屋の探索を行うべきだろう。外にも何人かの信者がうろついている。
資料室
中には誰もいない。棚にはファイルが並んでおり、教団運営に関する資料のようなものが並んでいる。
〈目星〉でファイルとファイルの間にメモが挟まっていることに気づく。
教団員のメモ
最近、支部長様の様子がおかしいように思う。演説を行っている時や我々に挨拶をして下さるときなどに、僅かだが違和感を覚える時があるのだ。もちろん、何も感じない時もある。しかし、どうしても何かがあるという疑念が私の中から離れない。何か、私の知らない何か
を行おうとしているのではないか。支部長様の部屋の隣で宿泊している者からも、何やら不気味な鳴き声を支部長様の部屋から聞いたと言う話があった。今夜、支部長様のもとへと向かおうと思う。もし、このメモを見たものがいた場合は、私の身に何かあったということだ。
この資料室まで足を運ぶと言うことは、あなたは敬虔な信者だろう。この教団を救ってくれ。
準備室
中には誰もいない。
舞台の横の部屋。舞台を飾り付けるための道具など、様々なものが置いてある。探索者達が欲しいもの(武器など?)が〈幸運〉にも見つかるかもしれない。
但し、何かを探そうとした場合、非常におぞましい顔をした巨大な八腕目の像のようなものを見つける。あなた達はその像に嫌悪感を覚える。
SANチェック
0/1D3
図書室に入ってから2時間ほど経過すると、大塚が迎えに来る。
「お待たせいたしました。支部長様がお会いになるそうです。どうぞこちらへ」
そういって、地下の支部長室へと探索者達を案内する。道中で寄り道はしない。支部長室の前には男が二人立っている。
大塚は、教団長は特にフォーブス博士とお話がしたかったそうで、大変楽しみにしておりましたよと教えてくれる。
大塚と男二人は探索者達だけで支部長室に入るように促す。
支部長室に入ると、後ろから扉が閉められる。強く押さえつけられているのか、開けることはできなさそうだ。
支部長室は何故か霞がかっており、中の様子が分からない。〈聞き耳〉などで様子を伺うと、生き物の荒い息遣いが聞こえる。
部屋の奥から、しわがれた男性の声が聞こえる。「フォーブス博士。よくぞいらっしゃいました。あなたの研究は非常に素晴らしい。そして、鼻が利くよいご友人を持っていらっしゃる。しかし、残念ながらあなた方の冒険はここまでです」続いて、描写文。
「言葉が終わると同時に、霧が晴れる。あなた達の前には2mほどの細長い枯れ木の様な老人が立っていた。その眼はあなた達を見据えており
左手には白銀の美しい箱を持っている。老人が、不気味に痩せ細った右手をあなた達に向ける。それに合わせるように、部屋の奥から一体の化け物が姿を現す。それは、カラスでもなく、モグラでもなく、ハゲタカでもなく、アリでもなく、腐乱死体でもない。かろうじて言い表すのであれば、アリとコウモリを掛け合わせ、タカの顔を付けたような怪物だった。嘴からは金属が軋るような不快な音が漏れている。
怪物は、白濁した瞳であなた達を捉えると、まるで慟哭のような鳴き声を上げ襲い掛かってきた」
怪物を見てSANチェック
1/1D6
ビヤーキー+トーマス・グレシャムとの戦闘。トーマスは右腕で〈被害をそらす〉を使いつつ、〈手足の委縮〉で攻撃してくる。
彼は1Rに1回手足の委縮を撃つことができる。また、パラジウムの箱により彼のMPは無限であるが、MP対抗ロールの際は本来のMP17を使用する。〈手足の委縮〉はフォーブス博士に向けて撃たれ、成功した場合に狙いがほかに移るかはKPの判断による。
ここでフォーブス博士を殺害してしまっても構わない。
〈手足の委縮〉に成功した場合は、目撃者のSANチェック0/1D3を忘れないこと。
ビヤーキーを倒すと、トーマス・グレシャムは頭を押さえうずくまる。探索者が特に何もしなければ戦闘は終了するが、トーマスを殺害しようとする場合は戦闘が続く。しかし、トーマスは頭を押さえうずくまるままで反撃はしない。死亡する直前、トーマスは何かを呟く。〈記憶を曇らせる〉の呪文を聞いたことがある場合、〈アイデア〉でそのことに気が付く。
トーマスは、探索者達が無事に帰れるよう、見張り二人の記憶を曇らせ、この部屋に支部長が入ったという記憶を消した。
トーマスが殺害されている場合
彼の懐から日記が見つかる。日記の多くのページは引きちぎられ、読めるページはわずかで
ある。英語で書かれており、表紙には、トーマス・グレシャムと書いてある。非常に古びており、適切な技能に成功すれば100年ほど前の物であることが分かる。また、前話からの継続探索者の場合は〈アイデア〉で自分のいた時代で流行っていた
デザインであるということが分かる。
この日記は多くのページが破り去られており、一部しか読むことができない。また、年月日も書かれていない。
トーマスの日記
??日
今日から日記をつけることにした。俺はトーマスだ。パパとママはいなくなったけど、親切な町の人のおかげでこうして生きていられる。いつか大金持ちになって町の人にお礼をしたい。
??日
探検家の人が帰ってきた。すごく古い本を見つけたらしいけど、町に寄付するそうだ。すごい人だなあ、俺もいつかああやって冒険に出てみたいと思う。今はいきることで精いっぱいだけど……。
??日
探検家の人の本はオークションに出されるみたいだ。ほかにも、いろいろなものがオークションに出されるみたい。俺もゴミの中から見つけた汚い銃を寄付してみた。オークションの人はすごく誉めてくれたけど、あんな汚いのを使う人がいるのかな?
??日
オークションのせいか、町に人がたくさん来ている。俺はそういう人たちに町を案内して、お金をもらっている。おかげでずいぶん楽になった。やっぱりあの探検家の人はすごい。貯まったお金で警察署へご飯を食べに行ったらすごくおいしかった。毎日いこう。
??日
今日、すごくかっこいい人達に会った!あの探検家の人みたいな雰囲気で、何か探しているみたいだった。俺も手伝いたかったけどあまり力にはなれなかった。でも、ああいう人たちにはすごく憧れる。マフィアに全然びびってなかったんだ!俺もいつかああいう仕事をしたい。探偵っていうのかな?たくさん冒険して、町の助けになりたいんだ。
??日
町の外で変なものを見た気がしたから言ってみたら、よくわからないものがおいてあった。この前あったかっこいい人たちも見なくなってしまった。どこにも帰っていないはずなのに。この拾ったものを調べれば何かわかるかな?
~ここからページが大きく破り取られている~
??日
最近は仕事も軌道に乗ってきた。美しい妻も持てたし、探偵業も順調だ。子供のころに思っていたものとはずいぶん違った職業だったが、人の役に立っていることは変わりない。研究はあまりはかどっていない。
??日
教団を再建せねば。
??日
ライナス様のため、日々教団に尽くしている。自分は何故探偵業などをやっていたのだろう?はるかに大事な仕事があったのに。
??日
妻が出て行った。
??日
永い眠りから覚めたような感覚だ。今までもたびたびあったが、ここまで鮮明なことは珍しい。とはいえ、頭の中はまだ霞がかっているが。
しかし、自分のやっていることの恐ろしさに震えることはできる。このままではいけない。研究を進めなければ。但し、自分にばれないように。
??日
順調だ。
??日
目途は立った。神の復活は近い。
??日
私は何をやっているんだ。思うようにいかない自分が憎い。しかし、面白い情報が手に入った。以前の自分なら信じなかったが、今は可能性に賭けるしかない。
??日
全てやり遂げた。あとは神に祈るだけだ。願わくば私のあこがれたあの人たちのような人であらんことを。
??日
計画は完璧だ。儀式は後星に最も近い場所で行われるそうだ。およそ10人の魂を箱に閉じ込めることができるが、我々はそれを数百いや、それ以上用意した。星に最も近い場所と言うのは蓮田町だ。おそらく、広いスペースが必要だろう。公園、大学、小学校、蓮田タワー、公民館、神社のどれかか?もし儀式に失敗した場合、私の研究した機械に教祖様の持つ赤い宝石をはめ込めばよい。過去に意識を飛ばすことができる。この計画は完璧だ。12月25日が待ち遠しい。その日、世界が変わるのだ!
日記によるSANチェック
新規探索者の場合、彼の悲惨な末路に対して0/1の喪失。
継続探索者で、トーマスのことを知っている場合、トーマスの悲惨な末路と自らがトーマスを殺したことに対して1/1D4の喪失。
部屋の奥には机があり、机の上には奇妙な門様な箱がある。箱にはくぼみが付いている。また、トーマスの遺体からは日記の他に白銀の箱(パラジウムの箱)、未知の言語で書かれた古びた本(エイボンの書)が手に入る。白銀の箱の使い方については、探索者やフォーブス
博士にはまったく理解できない。本に使われている言語についても同様である。
探索者達が外に出た場合、見張りの男二人が相変わらず立っているが、探索者達を見て「支部長様にお会いできなくて残念かもしれませんが、部屋を見学できること自体大変珍しいのですよ」と言う。特にまずい答えを返さなければ、探索者達は無事入口へと向かうことができるだろう。
無事に帰ることができれば、フォーブス博士はアメリカへ帰ってゆく。
トーマスは死に、病院で眠るフォーブス病の患者も、回復した3人の患者も正常に戻ることは無かった。しかし、探索者達はクリスマスに備え無ければならない。浄化の炎教団の計画を達成させるわけにはいかないのだから。
1D6のSAN回復。幕間の成長ののち第3話へ。
トーマスを殺害しなかった場合
しばらくすると、トーマスが顔を上げる。探索者達の顔を一通りみて、継続探索者がいた場合、おお……これは夢か?と言った後、事実だと分かると嬉しそうに子供のころに会って以来、ずっと憧れていたんですと話し出す。その後は、自身の行ってきたことについて、日記の内容をかいつまんで話す。もちろん、面倒ならそのまま日記を見せてもいい。トーマスは教団の計画が半年後の12/25に実行されること、儀式は蓮田町のどこかで行われること。公園や大学、小学校、蓮田タワー、公民館、神社が怪しいが判断がつかないこと。机の上に置いてある機械に教祖であるライナスの持つ赤い宝石をはめ込めば、継続探索者の精神を過去の自分の体へと飛ばすことが可能になり、元の世界に帰れることを話す。ただし、過去改変がどのような効果を及ぼすのかは知らない。
継続探索者でトーマスのことを知っている者のみ、彼の悲惨な話に対して0/1正気度喪失。
ここまで話すと、再びトーマスは頭を押さえだす。トーマスは、私は教祖に受けた命令を遂行しなければならないと洗脳されていると話す。探索者達が特に何も思いつかないのであれば、トーマスはフォーブス博士に自分の「ライナスに命令された」記憶を消すように頼む。
フォーブス博士はそれに応じるだろう。フォーブス博士が生きていない場合は、フォーブス博士の死体からメモを探すように言う。メモには〈記憶を曇らせる〉呪文が書いてある。INT*3に成功すれば修得することができる。修得できなかった場合、メモを読むことで呪文を唱えられる。MP対抗ロールを行うかどうかはKPの判断にゆだねる。
無事記憶が封印できれば、トーマスは話の続きを始める。
トーマスは手元の箱はパラジウムの箱というもので、触れたものの魂を封じ込めることができるものだと話す。但し、非常に危険なものなので、取り扱い方は教えられないと言う。トーマスは箱に触れ、封じ込められた魂を解放すると、何やら呪文を唱え、箱を破壊する。
トーマスはその後、何か知りたいことは無いかと聞いてくる。大抵のことは答えてくれるだろう。
何故大島ら3人は回復した?
フォーブス博士に調査を諦めさせるため、我々教団が中途半端に魂を戻した。
フォーブス博士はどこで呪文を知った?
私が教えた。もちろん、教えたという事実は忘れてもらった。
教祖の目的は?
恐らく、この世界を神の活動する世界に帰ること。彼が集めた人々の魂を、呪文を唱える力に変えることで、(1話でヨグ=ソトースの召喚を阻止できていた場合は日本、できなかった場合は世界)を彼が信じる神とその眷属が暮らす世界に作り替えること。実現した場合、世界or日本は滅ぶと思っていい。
ここに泊めてくれ
いいよ!
機械が完成するとどうなる?
機械に宝石をはめた瞬間、機械を持つものとその者が本能的に求めた者の意識が過去へと転移する。
恐らく、オークションの前日に転移すると思う。
前回教祖は何をしていた?
本を解読したところ、恐らく、〈ヨグ=ソトースとの接触〉を行ったのだと思う。この呪文で時空をつかさどる神から知識を得て、人の魂を閉じ
込める箱を作り、別の新たな儀式を行おうとしているのではないか。しかし、この本が奴の手に渡らず本当に良かった。
その後は、探索者達に機械を託し、出口まで案内してくれる。ほかの信者たちも、トーマスと共にいる探索者には手を出そうとしない。
トーマスは信者の人望を多く集めているようで、信者は支部長様支部長様と繰り返し声を上げる。入り口までたどり着くと、トーマスは探索者達に話しかける。
「私はこの者たちを導かねばならないのです。教義を少し変えねばならないかもしれないが、まあ、うまくやります。何か困ったことがあれば何でも言ってください。可能な限り力になります。あとどれくらい生きることができるかわかりませんが、精いっぱいやってみます。ありがとうございました。このようなことを頼むのは申し訳ないのですが、クリスマスの件、よろしくお願いします」
トーマスはその後、信者たちに囲まれながら教団へと戻っていく。
エイボンの書については、探索者達がうまく活用できるというのであれば渡してくれるだろう。ただし、探索者達はセンザール語が全くわからない。トーマスに頑張って頼み込めば教えてくれるかもしれない。(幕間の成長)
その後、蓮田町で発生していたフォーブス病の患者たちは全員が回復し、先に回復していた3人も正常な状態へと戻る。それを見届けたフォ―ブス博士は住民に惜しまれながら帰国してゆく。探索者達はこの町で起こっていた怪異を解決した。しかし、この先、更なる困難が待ち受けているだろう。
2D6のSAN回復。幕間の成長ののち第3話へ。
次のシナリオまで6か月の期間がある。5回の幕間の成長ロールが可能。この期間中に魔術書の研究をしてもよいし、情報収集を行ってもよい。不定の狂気に陥った探索者は条火病院に入院することができる。入院ルールに従いSAN値回復をし、3回の成長ロールが可能。吉田葵を救っていれば、感謝した吉田奈津子がホテルの料金を格安にしてくれる。半年程度であれば余裕をもって過ごせそうだ。