システム:パラノイア
※このシナリオはクトゥルフ神話TRPGのシナリオ「悪霊の家」のパロディであり、「悪霊の家」をプレイしたプレイヤーを想定しています
慈愛に満ちた我らの親愛なるコンピュータ様が、共産主義者やミュータントに対するための訓練を行うことにした。
本来ならば完璧で幸福なる市民には必要のないことだが、コンピュータ様はこれを機に反逆者を一掃することを考えている。
トラブルシューター達は無事に訓練に耐え、完璧で幸福な市民であることを証明しなければならない。
MAP
間取り図1
間取り図2
※シナリオの都合上、トラブルシューターの1人は共産主義者にしてください。
あなた達はCOCセクターにある食堂にいます。ここ最近、食堂も含めてCOCセクターにいる人間がかなり減っています。
インフラレッドにそのことについて聞けば、コンピュータ様に呼び出されてから皆帰ってきていないと答えるかもしれません。
(ほとんどの市民は悪霊の家での訓練で死亡しました)
今日の食事は8本のうねうね棒状の何かがついている赤い球形の合成肉です。(タコみたいな感じです)
ジメチルスルフィドの香り豊かな青く輝く液体がかけられており、皮膚や目に針が刺すような心地の良い刺激を感じます。
このような幸せな食事を行えるのもコンピュータ様のおかげでしょう。IRのクズどもは発火したり口をパクパクとさせ倒れたまま動かなくなるなどしたりして喜びを表現しています。
※ジメチルスルフィドは磯の香がする化合物で、爆発の恐れがあり、濃度が高ければ酸欠を起こす可能性もあるそうです。
※完璧なトラブルシューターであればもちろん知っているでしょう。香りについて感想を求めると面白いかもしれません。
食事を食べた場合はダイスロールを行います。食事を取らないことは反逆です。
1-10は何も起こりません。11-18で体の一部に水かきが現れます。11-12が右手、13-14が左手、15-16が右足、17-18が左足です。
19で顔が酷く醜くなり、体全体に硬質な小片状の組織が現れます(深き物になります)。20でクトゥルフ(クトゥルフの呼び声P213などを参照)が降臨し、COCセクターは滅びます。
しばらくするとミッションアラートが流れます。ノイズが混ざっていたようですが
「なんとなく類人的な外観をしている市民○○、○○……が、HPLセクターに似た頭部がもある、顔には触角がかたまって密生している。
GOOビルに覆われたまでのようにみえる体、10階と後ろ足には10なかぎ爪、背中に872は細長い号室が20分後に生えていた。
この丁度には集合気味に膨れ上がって、べたべたした感じで視界いっぱいに広がりしなさい」
※市民○○、○○……HPLセクターのGOOビル10階の10872号室に20分後丁度に集合しなさい。
食堂からHPLセクターへは一般的な完璧さを持つ市民が走って30分ほどでしょう。
通りにはレッド市民やインフラレッドのクズはが何故かほとんどいません。時間を掛ければ見つかります。オレンジ以上の市民はいつも通りです。
また、R&Dで開発中の製品がいくつか用意されています。
1.超高速ボットB-8-KI
「3mほどの乗り物です。口のような部分からは金属が軋るような音が漏れています。
説明書きによると、アリとコウモリを掛け合わせ、タカの顔を付けたような乗り物だと書かれています。
飛行速度は時速70km、無重力かつ真空の空間で光速の1/10。搭載されている「フーン器官」を使うことで光速の400倍のスピードによるワープ航行が可能です」
※地上の生物を知っていることは反逆です。
※この乗り物に乗った場合、AIが自動で「フーン器官」を作動させてくれます。AIをなんとかするか、自らの身を守らない場合は1D20で1を出さない限り死亡します。
2.門型転送装置
「人1人が入れる程度の四角い建物です。非常に簡素な作りであり、このようなもので転送を実現するR&Dの革新性が伺えます。
説明書きによると、セルフサービスによりスペースの縮小を図っているそうです。
転送の準備に10分。転送に0分の所要時間が掛かります」
中に入ると、壁に見たこともない記号の羅列が書かれており、床には奇妙な文様が描かれています。これをみた場合、感受性の難易度Toughで判定します。
成功した場合、不思議と記号の羅列を理解できます。失敗した場合、この部屋については何もわかりません。
記号の羅列を理解した場合、これらをすべて読んだ後に目的地を言えば転移が発生します。
転移が発生した場合、感受性の難易度Normalで判定します。成功すれば目的地に辿りつくことができます。
失敗した場合、トラブルシューターはどこかに消えたり、壁の中に埋まったりします。
ブリーフィングルームにはコービットというブルーの男がいます。集合時間に早すぎても遅すぎても処刑されます。転送されてきたトラブルシューターは注意しましょう。
彼はトラブルシューター達がそろったのを見ると、手短にミッションの内容を伝えてくれます。
※彼は共産主義者です。彼は匿った同士を守るため自宅に罠を張り巡らせています。
「お前たちは訓練プログラムに選ばれた。これはコミーやミュータントが現れた時のための訓練だ。頑張れよ」
彼はほかに以下のことを知っています。トラブルシューターの様子に合わせて話をしましょう。
・訓練を行うのはTHHセクターにあるコービットの自宅
・コンピュータ様に特別に奉仕するため自宅を訓練施設としてコンピュータ様に提供するという幸福な機会がコービットに与えられた。
・屋敷にはコンピュータ様が作成したミュータントや共産主義者のサンプルがいる
・屋敷の各部屋をすべて探索してスイッチを押し、屋敷に潜む共産主義者のサンプルを処刑すればミッションが完了する
・今まで訓練に挑戦した者は全て反逆者だったことが判明している
ミッションの内容についてある程度話した後、コービットは屋敷の地図を渡すなり端末に送るなりします。
まず、共産主義者以外のトラブルシューターに間取り図1が、共産主義者のトラブルシューターには間取り図2が渡されます。
共産主義者のトラブルシューターには、地図に書いてある赤文字は危険のサインだ!と伝えます。
※ただし、共産主義者のプレイヤーに渡される地図には何も書かれていません。コービットは地図を取り違えてしまうのです。
地図を渡し終えると、コービットは「見ての通りこの屋敷には1階と2階のみしか存在しない。完璧な市民であれば何も問題のない訓練のはずだ」と言います。
続いて、MBDテストです。
「このような特別な訓練施設まで用意してくださるコンピュータ様は、君たちに何クレジット分の価値があると思っているか?」
適当に役職を割り振りましょう。共産主義者を優遇するとよいかもしれません。
MBDテストが終われば、各役職の支給品が手渡され、トラブルシューター達はR&Dに向かった後に屋敷に向かうようにと言われます
ブリーフィング終了後、結社任務が送られてきます。
共産主義者のトラブルシューターは、「その屋敷には本物の共産主義者が潜伏している。彼らを守れ」といった内容のミッションになるでしょう。
その他には、R&Dの支給品を手に入れろ、ミッションを成功させろ、すべて破壊しろなど適当に用意しましょう。
R&Dに辿りつくと、2つの入口が目に入ります。1つめは緩やかなベルトコンベアの道がある入口です。この通路の色はオレンジです。
もし、この通路に入ることができた場合、安全に奥の研究者室へと向かうことができます。
2つ目は、とても狭く、細長い入口です。トラブルシューター達は1列になって進まなければなりません。
トラブルシューター達が中に入ると、扉が自動的に完全に閉まります。扉を振り返ってみた場合は、扉の中央に穴が開いていることに気づくでしょう。
細長い通路を進んでいくと、先頭と2番目の者は5cmほどのマットスイッチを見つけます(踏むと作動するスイッチです)。
3人目以降も先頭のものと2番目の者がスイッチを超えたあたりでスイッチ(踏まれたスイッチかもしれませんね)を発見します。
そのスイッチを踏んだ場合入口の扉から強力な矢が射出されます。最後尾の者はダメージ番号17、その次の者はダメージ番号16のダメージを受けます。
更に進んでゆくと、閉じられた扉を一つ見つけます。扉の横にはクレジットの挿入口があり、電子盤には先頭の者しか見えない程度の大きさで「100クレジットが必要です」と書いてあります。
クレジットを挿入すると、「ご利用ありがとうございました」に変わります。
更に進んでゆくと、研究者室と大きく書かれた看板と、扉が見えてきます。扉の中央には穴が開いています。
先頭と2番目の者は5cmほどのマットスイッチを見つけます(踏むと作動するスイッチです)。
3人目以降も先頭のものと2番目の者がスイッチを超えたあたりでスイッチを発見します。
スイッチを踏んだ場合、前方の扉から矢が射出されます。先頭の者はダメージ番号17、その次の者はダメージ番号16のダメージを受けます。
※矢のギミックは基本的に後方2人、前方2人をターゲットにしています。避けるなどという小賢しいマネは難しいことにしましょう
研究者室に入ると、オレンジ市民が「待っていたよ!」と興奮した様子で話しかけてきます。彼はいくつかの発明品を渡します。
1.Legend-S1R
「これは共産主義者を感知する装置だ!スイッチを入れると近くに共産主義者がいる場合赤く光って知らせてくれる!更に、共産主義者を抹殺することもできるぞ!」
.Legend-S1R(エルダーサイン)は正2/5角形の機械の中央に目のようなスイッチがついているとても重い装置です。持ち運ぶことはできますが、投げることは難しいでしょう。
※この装置のスイッチを押すと、半径300m以内に共産主義者がいる場合に赤く光ります。
※その後、5秒からカウントダウンが始まります。カウントが0になると爆発しますが、それまでの間にLegend-S1Rは飛行し共産主義者の元へと飛んでゆきます。
※ただし、範囲内に共産主義者が2人以上いる場合Legend-S1Rはその場で爆発します。
2.輝く黒い多面体
「これは倉庫にあったものだ!反逆者の仕業によりどのような道具か分からなくなったため、君たちに調査してもらいたい!」
輝く黒い多面体(トラペゾヘドロン)は直径約10センチメートル程のほぼ球形の結晶体で、不揃いな大きさの切子面を数多く備えています。色はほぼ漆黒で、ところどころ赤い線が入っています。(wikipediaより)
※輝く黒い多面体を持ったトラブルシューターは、感受性の難易度ノーマルで判定します。成功した場合、特に何も起こりません。失敗した場合、この多面体をとても大切に思います。
※また、この多面体を持っているトラブルシューターは定期的に感受性の難易度ノーマルで判定を行います。感受性ロールに2回失敗した場合、暗闇に入ると多面体からミュータントが飛び出します。
※ミュータントは黒い煙に巨大な翼のような物が生えたものです。ミュータントは任意のトラブルシューターを襲います。
※特に抵抗が無かった場合、犠牲者は頭蓋骨に穴を開けられ、そこから体を溶かされながら貪り食われます。
※食事が終わると、ミュータントは黒い多面体へと戻ってゆきます。
3.KEY-VerS11
「これはワープ装置を小型化した物だ!9回ゆっくりと捻ると好きな場所に移動できる!」
銀色ででこぼことした棒に持ち手のような物がついた装置です。〈銀の鍵)
ゆっくりと、10分以上かけてまわした場合鍵だけが自分の行きたいところへと飛んでゆきます。鍵が行きたい場所なのかトラブルシュータが行きたい場所なのかは分かりません。
4.MAS(Martial Arts Shoes)
「これを履けばキック力が増強される!どんな生物でもイチコロだ!」
赤色の靴で、横にスイッチがついています。
※スイッチを押すと超強力なキックが放てます。1D20+8がそのままダメージ番号になります。
※ダメージ番号が20を超えた場合、とてつもない破壊力に耐えられず使用者は爆散します。周りへの激しい被害があるかもしれません。
訓練施設はコービットに教えてもらった通りの場所にあります。
ブルークリアランスの区画の外れに存在するその施設は高い塀に囲まれて、全てが赤黒く塗りつぶされています。(血です)
塀の高さは10mほどで、入り口はどこにもありません。塀には様々な傷がついており、登る取っ掛かりにはなりそうです。
塀の上には真っ赤に塗装されたアンドロイドが何体か巡回しています。彼等はレーザーガンを持っており、私は不幸なコミーですと呟いています。
塀を登ろうとした場合、アンドロイドに撃たれます。なんとかしましょう。
敷地内には真っ赤に塗られた屋敷があります。それは2階建てで窓は有りません。入口にはコミーの家とか書かれています。
屋敷の中の様子は以下の通りです。マップ上に赤字で記されている部屋にはデストラップが仕掛けられています。
全ての部屋にはスイッチがあり、押せばバチッと静電気が発生します。屋敷に入ると、どこからかズシンズシンという音が聞こえます。(寝室3からです)
※共産主義者のプレイヤーが死にすぎている場合は、何故かこの訓練施設のトラップの対象にならないということにしてもよいでしょう
入口
古びた扉がついています。トラブルシューター達が近づくと、自然と開きます。トラブルシューター達が全員中に入ると扉が閉まり、開かなくなります。
物置1
様々なガラクタのような物が置かれています。それは古びた箱であったり、埃の積もった機械であったりします。この部屋はとても清潔だとは言えません。
部屋の中央にはスイッチがあります。トラブルシューターが部屋に入ってしばらくすると、突如部屋の中のすべての物が光り輝きだし爆発します。
物置2
この部屋は空になっています。部屋の中央にスイッチがあり、壁には土間(3)を覗ける窓がついています。
土間(3)を覗くと、中に3体の赤いアンドロイドの姿が見えます。
土間
扉を開けると、3体のアンドロイドがこちらに向けてレーザーガンを撃ってきます。
部屋の奥には扉がありますが、開くことはできません。部屋の中にはスイッチの他に、コート掛けや傘立てがあります。
居間
ここにはソファや椅子などが置いてあり、くつろげる空間のようになっています。
壁には奇妙な道具のような物が書かれた真っ赤な旗が大量に掛けられています。その他に、豊かな髭を蓄えた優しい笑みの男の像などが置かれています。
部屋の中央にはスイッチがあります。
食堂
この部屋からは、ジメチルスルフィドの香りがします。部屋の中は食堂のようになっており、中央にはスイッチと鍋が置いてあります。
この部屋に入ると、皮膚や目に針を刺すような痛みを感じます。耐久力の難易度Tough判定に失敗すると気絶し、しばらく放っておかれると死亡します。
また、何らかの火器を使用した場合大爆発が起こります。スイッチを押して静電気を発生させた場合も、爆発が起こります。
キッチン
この部屋は空になっており、部屋の中央にスイッチがあるのみです。この部屋に入ると、屋敷に入った時からの物音は上の部屋からのものだとわかります。
隠し階段
固く閉ざされた扉があります。開く気配は有りません。
全てのスイッチを押すと、扉が開き階段が現れます。階段を下るとき、一番前にいたトラブルシューターの足元に突如落とし穴が出現します。
寝室1
壁には真っ赤な旗が掛けられています。ベッドや棚があり、中央にスイッチがあります。
この部屋に入ったトラブルシューターは、感受性の難易度Normalで判定します。失敗すると体がズタズタになります。
寝室2
この部屋には小さなベッドが2つあり、壁には鏡が掛かっています。部屋の中央にはスイッチがあります。
寝室3
部屋の中にはベッドが1つと、スイッチがあります。ベッドはガタガタと震えています。ミュータントの仕業でしょう。
トラブルシューターが中に入ると、ベッドがジェット機の速度で飛んできます。
浴室
浴槽があり、中には青く輝く水が入っています。スイッチは水の中にあります。
この水は危険なものだとしてもいいですし、特に危険は無い物だとしてもいいでしょう。アルファコンプレックスに危険な水など存在するわけがないのですが。
倉庫
あまり大きいとは言えません。壁があり、角には小さな部屋へと続く扉があります。
小さな部屋の反対側にある壁だけが赤く塗られています。
トラブルシューターが物置に向かわない場合、物置からナイフが飛んできます。
物置3
この中にはナイフ100本が浮遊しています。ナイフはトラブルシューター達に襲い掛かります。
壁
コンクリートの壁です。優秀なトラブルシューター達なら破壊できるでしょう。
共産主義者が潜む部屋
この部屋にはコービットと3人の共産主義者がいます。彼らはどうやら核兵器を作製している途中のようですが、レーザーガンを構え応戦してきます。
コービットのクリアランスはブルーなので、トラブルシューターたちのレーザーガンは効かないことが多いでしょう。
全てのスイッチを押してしばらくすると、入口が破られコンピュータ様の作成した共産主義者のロボットが現れます。
タイミングはトラブルシューター達がコービットとの戦闘を始めたころがよいでしょう。
この真っ赤に塗られた人型のロボットは非常に強力です。分厚い装甲の他、秒間100000発を発射するマシンガンと、辺りを完璧に把握するレーダーを装備しています。
もちろん、このロボットよりはるかに優秀なトラブルシューターであれば容易にミッションを完了させることができるでしょう。
ロボットを破壊できるか、適当なオチがついたところでデブリーフィングです。トラブルシューター達は突然意識を失い、目覚めると見知らぬ部屋にいることになります。
トラブルシューター達は突然意識を失い、目覚めると見知らぬ部屋にいます。
トラブルシューター達は何故か椅子に縛り付けられており、頭上にはドリルがあります。目の前にはコンピュータ様がいて、ミッションの報告を求めてくるでしょう。
優秀なトラブルシューターであれば、ミッションの成功と共産主義者達を処刑したことを褒め称えられるでしょう。
このデブリーフィングで責められる点の例は以下の通りです。
・ブルー市民であるコービットを殺した
・訓練施設の地下のクリアランスはブルーだった
・訓練施設を消滅させた
・R&Dの発明品を破壊した、無くした
・MBDテストにて自分の価値を過大/過小に申告した、クローンの値段を正確に知っていた