シナリオ傾向:クローズド、現代
推奨人数:2人~
戦闘:有り
推定プレイ時間:2時間
難易度:低め
システム:クトゥルフ神話TRPG
注意事項:恐怖に慣れるルールを忘れないこと
『屍食教典儀』を手に入れた魔術師が、自らの不死を目指し研究を行っていた。
しかし、病を患った魔術師は志半ばにしてこの世を去る。
残ったのは山奥の森にある研究所。そして、魔術師の研究材料だった。
『屍食教典儀』 基本ルルブ106ページ
フランス語の魔道書
1/1D4の正気度喪失。クトゥルフ神話技能+12%。22週間の研究期間。
ゾンビ 基本ルルブ232ページ
STR16 CON16 SIZ13 POW1 DEX7 HP15 DB1D4 SANチェック1/1D8
※ダメージ半減。貫通する武器はすべて1ポイントのダメージ
武器
噛みつき 30% 1D3
大きな棍棒 25% 1D8+DB
本シナリオのゾンビは≪黒い束縛≫により誕生したものである
一般的なゾンビの設定に従うが、時間経過により腐る。
黒い仔山羊 基本ルルブ177ページ
STR44 CON16 SIZ44 POW17 DEX17 INT14 HP31 DB4D6 SANチェック1D3/1D10
※火器ダメージはすべて1ポイント。ショットガンは最低値。熱、爆風、腐食、電気、毒無効。
※7つの呪文を所持。状況によって選択する。
技能
忍び歩き 60%
森の中に隠れる 80%
武器
触肢 80% DB 命中した場合、ラウンド毎に1D3のSTR吸収
踏みつけ 40% 2D6+DB ホウホウといった声をあげながらふみつける
※4本の黒い触肢がそれぞれ一回ずつ攻撃できる。つかむか打ち付けるために使用する
※捕まった場合は口からSTR吸収
NPC
細川 重孝 探偵 170cm 60kg 42歳
STR14 CON13 POW12 DEX13 APP9 SIZ11 INT12 EDU15 HP12 MP12 SAN60 アイデア60 幸運60 知識75
※協力的なNPC
冴えないおっさんのような感じだが、意外とすごい
技能
戦闘
キック50 マーシャルアーツ50
探索
鍵開け21 聞き耳65 精神分析47 追跡30 図書館65 目星65
交渉
言いくるめ55
知識
心理学55 法律45
辰巳 行正 魔術師 172cm 55kg 34歳
STR12 CON10 POW18+3 DEX11 APP12 SIZ12 INT14 EDU18 HP11 MP21 SAN0 アイデア70 幸運99 知識90
※死亡した魔術師
高圧的な性格だが、友好的である
技能
戦闘
回避50 拳銃50
探索
目星75
行動
変装51
交渉
言いくるめ45 フランス語71
知識
オカルト85 化学45 神話20 心理学55 生物学51
武器
32口径リボルバー 1D8ダメージ 射程15m 3回攻撃 装弾数6 5発装弾
装備
鈍く輝く指輪 POW+3
呪文
萎縮 基本ルルブ252p
黒い仔山羊の召喚/従属 基本ルルブ281p
黒い束縛 257p
復活 基本ルルブ279p
被害をそらす 基本ルルブ278p
従属のルール
その生き物が従属されていない場合、対象の召喚/従属の呪文により従属させることができる。
1Rの間詠唱を行い、その後に自分のマジックポイントと生き物のマジックポイントを抵抗ロールする。
失敗した場合はもう一度唱える。
唱えるたびに1正気度のコスト、MPは不要。
戦闘に加わっていない探索者のみ呪文を唱えられる。
MAP
PL用
KP用
導入開始前にPL各自に1D6ロールを行ってもらう。出目を設定した年月日の西暦から引き適当な月日を付け加えた年月日をPLに伝える。
探索者たちは、自宅で、あるいは街中で怪しいローブの男を見た後、意識を失う。
探索者達は、手術台のようなベッドの上で目を覚ます。体中のあちこちが凝り固まっている。
服装は意識を失う前のものだ。しかし、とても長い期間眠っていたようなきがする。
また、飢えとのどの渇きを感じる。
周りには手術台がいくつか(探索者の数+1)あり、それぞれに人が寝ている。
NPCである細田が同じように目を覚ましている。以降探索に協力してくれる。
皆、ちょうど目を覚ましたところのようだ。
※この研究所は地下にある。どの部屋にも窓は無い。
部屋は殺風景で、窓がない。抗菌仕様と思われるタイルの上に手術台がある。
扉が一つついているが、のぞき穴などはない。壁にカレンダーがかかっている。
カレンダー
月ごとにめくるタイプのもので、現在は7月になっている。西暦を尋ねられた場合、設定した西暦を教える。
扉
鍵はかかっていない。分厚く、気密性が高い。
〈聞き耳〉
扉に聞き耳をした場合、何かをたたくような小さな音が聞こえる。
〈目星〉
部屋はごく最近まで清潔に保たれていることが分かる。
廊下
1の部屋は廊下につながっている。廊下に出ると、4の部屋(書斎)の扉をたたくゾンビを目撃する。
「分厚い扉を開けると、何かをたたく大きな音が聞こえてくる。それは人の形をしているが体は死人のように青白く、動きは緩慢である。体の所々は腐り落ちており、命あるものだとは思えなかった。
それはあなた達を見つけると、何かを求めるかのように、腕を伸ばし、近づいてきた」
ゾンビのSANチェック
1/1D8
※ゾンビは魔術師に探索者を書斎に招くように命じられているので、探索者の腕をつかみ引っ張っていこうとする。
探索者が攻撃した場合、戦闘に突入する。戦闘に突入した場合は、探索者を殺害しようとする。
廊下は、まっすぐと出口のような扉に繋がっている。
出口と手術室の間には、左右に5つ、合計10の部屋がある
南京錠と鎖で閉じられている扉。外の様子はうかがえない。〈聞き耳〉に成功すると、鳥の鳴き声や木々のざわめきが聞こえる。
扉を開けると階段があり、外へ続いている。南京錠は技能によっては破壊することができる。
出口を出た場合、〈森の中に隠れる〉を使用していた黒い仔山羊が現れ、探索者達の前に立ちふさがる。
研究所に引き返すのであれば何もしてこない。
研究所を出ようとすると戦闘開始。エンドを参照。
辰巳がいる場合、従属の詠唱を行ってくれる。
黒い仔山羊のSANチェック
1D3/1D10
中には一般的な道具であれば大抵のものがそろっている。
〈幸運〉ロールに成功すれば、その道具を発見し持ち出してよいこととする。
〈聞き耳〉で中から1人分の足音のようなものが聞こえる。
中に入るとゾンビ1匹と戦闘。
ゾンビのSANチェック
1/1D8
部屋のSANチェック
0/1D3
部屋は中央が大きく開いており、壁一面には棚が設置してある。
棚には、ホルマリン漬けの瓶があり、様々な生物や臓器がはいっている。
その他、手術に使うような道具類も置いてある。
棚への〈目星〉
臓器の入ったホルマリン漬けの瓶の横に、青っぽい灰の入った瓶がおいてある。
〈化学〉に成功すれば、塩と何かの化合物が混ざったものであることが分かる。
〈医学〉に成功すれば、これらの臓器は非常に高度な技術により取り出されたものであることが分かる。
瓶にはそれぞれ別の人名のラベルが貼られている。
道具への〈目星〉
手術道具のうち、使用した形跡がみられるのはピンセットなどのみであり、メスのようなものを使用した形跡は無かった。
中から物音はしない。もし、ゾンビに案内されてここに来た場合、ゾンビは部屋の中に入ると扉の近くで動きを止める。
部屋の中には絨毯がしかれており、壁には本棚がある。中央の壁際には机と椅子がある。
本棚には、人体に関する本や、様々なオカルト本が入っている。
机には、ガラスでできた大きな器が置いてあり、中には青っぽい灰が入っている。その隣に、手紙が置いてある。
手紙
君たちがこれを読んでいるのであれば、私はこの世にはいないということだ。
そして、私の実験が成功間近であることを意味している。
このようなことを頼むのは申し訳ないが、君たちにお願いがある。
私は病に侵されており、君たちに賭けるしかない状況だ。
私は現在、君たちの目の前にある青い灰である。通常では信じられないことだが、どうか信じてほしい。
そして、この手紙の最後に記してある呪文を私に唱えてほしいのだ。
呪文が成功すれば、私は甦る。もちろん、お礼は用意してある
君たちの頼みごとがなんであれ、できる限り頼みを聞こう。
私の研究成果を少なからず目にしてきた君たちであれば、私が何をできるかよくわかるだろう。
君たちをここへ丁重に案内したゾンビもまた、私の研究成果の証明である。
もし、この研究所から出て、元の生活に戻りたいという変わり者がいるのであれば、それにも協力しよう。
扉の外にいる守り手を再び従属させ、君たちの望む場所へと案内させよう。
なお、書斎以外の部屋は危険な場合があるため、立ち入らないように。
君たちへの期待を込めて 辰巳
続いて呪文(〈復活〉)が書かれており、〈INT*3〉ロールに成功すれば修得できる。
修得できなかった場合は、手紙に書かれた呪文を見ている場合に限り呪文を詠唱することができる。
〈復活〉を唱える場合、3ポイントのMPと、1D10の正気度を喪失する。
手紙を最後まで読んだ場合(呪文も含む)、〈アイデア〉、成功すると、自分の復活に気づき1D6/1D20の正気度喪失。
本棚
〈目星〉〈図書館〉に成功すると屍食教典儀を発見する
呪文を唱えると、辰巳が復活する。全裸であるが、何か呪文を唱えると、何処からか服が現れる。
ただし、7の部屋の箱の中身を手に入れている場合はなにも現れない。装備品を返すように要求するだろう。
この時、〈目星〉に成功すれば、拳銃と鈍く輝く指輪(POW+3)を身に着けていることに気づく
探索者が脱出を望む場合、古代の護符を渡してくれる。7の部屋参照。
辰巳は友好的であり、探索者のお願いであれば大抵の事を聞く。ただし、SAN値0の狂った魔術師である。
呪文を唱える前に灰に何か行い、灰が減った場合は、辰巳は不完全な状態で復活する。
減った量により、四肢がかけていたり、皮膚がかけていたりする。減少しすぎた場合は、復活しない。
不完全な復活をした辰巳は、探索者を責めるが、無知なのだからしょうがないと許す。
ただし、共に研究を進めることは認めなくなる。
辰巳の復活を見た場合 1/1D6
また、辰巳を復活させた場合、〈アイデア〉
成功した場合、探索者は、自分が飢えを感じるにも関わらず体は全く正常なこと、数年たったにも関わらず体に変化の様子がないことなどから、自分が死亡し≪復活≫の呪文でよみがえったことに気づく。
1D6/1D20の正気度喪失
辰巳に襲いかかる場合、辰巳は抵抗し、探索者たちを灰に戻そうと試みる。
棺桶がいくつか並び、その中に様々な遺体が入っている
遺体の多くは30台の男性のように見え、すべての遺体が不自然なまでに清潔であり、腐ってもいない。
遺体を見てSANチェック
0/1D3
遺体への〈目星〉
一部分が欠けている遺体があることを発見する。欠けている部分の多くは3の部屋(準備室)にある。
部屋への〈目星〉
メモが落ちている
研究は順調に進んでいる。今や私は自由に人の体を分解し、構築することができる。
終わりは近い。邪魔者が増えたので、門番を置こう。ちょうどよい呪文がある。もちろん、保険も用意してある。
部屋の中には1体のゾンビ。
ゾンビのSANチェック
1/1D8
キッチンやベッド、机などがあり、ここで生活していたのだろうと想像できる。
冷蔵庫の中には食料品があるが、腐っている。賞味期限を見ると、多くは一か月ほど前の物だ。
机への〈目星〉
周辺の地図と、出口の南京錠の鍵
部屋への〈目星〉
何かの鍵が床に落ちている→資料室7の箱の鍵
2つの足音。部屋の中には2体のゾンビ。
ゾンビのSANチェック
1/1D8
部屋の中には本棚があり、本棚には何かの資料を閉じた大量のバインダーがある。
床には紙が散らばっており、こちらも何かの資料のようだ。
紙の資料は大量にあり、細かな数値などが書かれているが、多くは探索者たちにとって無意味なものに思える。
何らかの技能に成功するなどして資料を読み取った場合、病や不死についての研究がおこなわれていたことが分かる。
部屋、もしくは散らばった紙への〈目星〉
30cmほどの怪しい箱を見つける。固く閉じられており、壊せそうにない。
6の部屋で見つけた鍵で開く。
中には鈍く輝く指輪(POW+3)、32口径リボルバー(5発装弾)、古代に作られたような紙の護符、男性用の服。
ただし、辰巳を復活させた場合は何も入っていない。辰巳は呪文を使うことにより、この箱の中身を手元に
召喚できる。
古代の護符
〈歴史〉〈考古学〉に成功した場合、かなり古いものであること、当時存在する言語には無い文字のようなもので
記されていることが分かる。
〈クトゥルフ神話技能〉に成功すれば詳しい効力が分かる。
〈オカルト〉に成功した場合、この護符は何かを退ける力があることが分かる。
特に技能を使わなくとも、神秘的な力を感じる。
この護符を持っている場合、黒い仔山羊の攻撃の成功率が半分になり、戦闘開始ターンに黒い仔山羊が行動しない。
この護符は、戦闘開始後2ターンで効果を失う。
メモ
黒い仔羊従属の呪文
①辰巳を復活させ、脱出を頼んだ場合。
辰巳は探索者達を引き連れて、出口へ向かう。
辰巳は南京錠の鍵を破壊し外に出る。探索者達は現れた黒い仔山羊との戦闘開始。
辰巳は戦闘に参加せず従属の詠唱を行う。
従属が成功した場合、探索者達は黒い仔山羊に案内され、近くの街付近に戻ることができる。
②辰巳を復活させず、脱出を試みる場合。
探索者達のうち、一人が従属の呪文を唱える必要がある。
従属に成功した場合、黒い仔山羊は街への案内が可能である。
③黒い仔山羊を倒さず、逃走を試みる場合
触手が4本あり、探索者それぞれに一本ずつ向かってくる。探索者が5人以上いる場合は1d100の出目が高い順に襲う。
襲われた探索者はDEX17との対抗ロール。失敗すると捕まる。捕まるとおそらく死亡するだろう。探索者が護符を持っている場合、黒い仔山羊の動きが鈍り、探索者の対抗ロールの成功率に+50。
逃走に成功した場合、地図があれば数か月かけて脱出できるだろう。
地図がなくとも、数年あれば脱出できるはずである。
各エンド共通して、探索者が森からの脱出にいくら時間をかけても問題ない。
探索者はもはや、餓死することはないからである。
全END共通で1D8のSAN値回復。
魔術師を復活させなかった場合+1D6。
NPC生存で+1D3。